「呪術廻戦」九十九由基~元星漿体という天元との因縁、謎に包まれた能力、術式、東堂や虎杖との関係、声優は~

 今回は言わずと知れた大人気漫画「呪術廻戦」から、謎に包まれた特級術師「九十九 由基(つくも ゆき)」について解説したいと思います。

 物語序盤では過去編、回想にのみ登場してきましたが、渋谷事変のラストでとうとうメインストーリーに姿を現した九十九。

 未だ謎の多い九十九というキャラクターについて、現時点で判明している情報をまとめ、考察していきたいと思います。

呪術廻戦、九十九由基ってどんな奴?(ネタバレ注意)

基本プロフィール(声優含む)、謎に包まれた陽気な特級術師

誕生日不明
所属不明(一応呪術高専に籍は残ってそう)
趣味・特技バイク
ストレス任務
声優日髙のり子

 九十九由基は4人の特級術師(夏油が死亡したので現状3人)の1人でありながら、任務も受けず各地を飛び回っているという謎の人物。

 初登場では京都校の東堂葵の回想シーンに一瞬だけ姿を見せ、続く12年前の過去編で高専時代の夏油傑と対話し、ようやくその名が登場します。

 登場シーンはほとんどないにも関わらず、その謎めいたキャラクターで読者をざわつかせ、黒幕説など様々な考察がネット上に飛び交っていました。

 外見は色素の薄い髪と涙袋が特徴的な尻とタッパがでかい美女。

 年齢は外見からは分かりにくいですが、30代半ば程度と推察されます。

 性格は一見すると陽気で天真爛漫ですが、同時に怜悧な研究者としての一面を併せ持っており、虎杖たちの完全な味方とも言えない存在です。

 呪霊を祓うという「対処療法」ではなく、呪霊が生まれない世の中をつくる「原因療法」を行いたいと、呪術高専とはやや方針を異にしている様子ですが……(詳細は後述)。

その強さ、術式は「質量」、領域展開は使える?

 さて、最も古株の特級術師として名が知れ渡っている九十九ですが、205話でとうとうその術式が「質量」を操るものであることが判明しました。

 九十九はこの術式により、自分の攻撃や式神に「仮想の質量」を付与することが可能。

 その威力は特級の名に恥じぬもので、概念に干渉する特級呪霊を式神の一撃で容易く排除していました。

星の怒り(ボンバイエ)
自身に仮想の質量を付与する術式。
その出力は概念による防御すら容易く突破する。

式神:凰輪(ガルダ)
九十九が連れている魚型の式神。
術式により呪具化した式神で、星の怒りの術式対象となる。
主にサッカーボールのように丸まり、蹴り飛ばされて使われる模様。

 応用力はともかく、単純な出力で言えば五条悟の無下限呪術に対抗し得るんじゃないでしょうか。

 作中では質量の無限付与によるブラックホール生成という自爆技まで披露していました。

 加えて九十九は、東堂の師匠だけあって体術もいけるようです。

 戦闘者として隙なし……かに思えますが、どうやら九十九は呪術戦の秘奥・領域展開は苦手な模様。

 使えないわけではないようですが、領域の押し合いにはあまり自信がない様子でした。

 こればかりは向き不向き、術式の性質もありますから仕方ありませんが、最上位の使い手同士の戦いだと、致命的な隙になるやもしれませんね。


呪術廻戦、九十九由基が物語に与えた影響、その目的

夏油傑が呪詛師となったきっかけの一つ

 九十九はメインストーリーに登場する前から物語に大きな影響を与えています。

 その最たるものが、夏油傑が呪詛師へ墜ちた切っ掛け、非術師を皆殺しにすればいいという「気付き」を与えてしまったことです。

 12年前、様々な出来事がきっかけで「呪術は非術師を守るためにある」という正論を信じきれなくなっていた夏油に、九十九は呪霊をこの世から消すための原因療法について語ります。

 その方法の一つが「全人類が呪術師になれば呪霊は生まれない」というもの。

 九十九の発言が夏油の心に「非術師を皆殺しにすればいい」という発想を抱かせ、そして実際に夏油がそれを実行に移す契機となってしまうのです。

渋谷事変「すまない。あの時迷った」

 渋谷事変のラストでとうとう登場し、虎杖たちを偽夏油(羂索)から救った九十九ですが、この時彼女は、

「すまない。あのとき迷った」
「ここまで事態が進んでしまったのであれば」
「一度泳がせて様子を見るべきなのではと」

 と発言しています。

 九十九の願いは世界から呪霊をなくしたいだけ。
 本人も言っていますが、別に虎杖たちの味方というわけではないんですね。

 恐らくこの時九十九は、偽夏油(羂索)の企みが、あるいは自分の望みのために利用できるのでは、と考えていたのでしょう。

 ①全人類から呪力をなくす
 ②全人類を呪術師にする

 九十九はそのいずれかの手段で呪霊を無くそうとしていました。

 それは最終目的はともかく、手段として偽夏油(羂索)のそれと非常に似通っているのです。

 九十九の今の本命は①ですが、12年前の本命は②。

 ②は方法論としては偽夏油(羂索)とほぼ同様です。

 まあ、九十九は偽夏油(羂索)ほど狂ってはいないので(自称)、②の問題点に気づき、今のところ虎杖たちに協力してくれています。

 ちなみに、元夏油一派であったラルゥ(マッチョで胸にハートマークがあるオカマ)は、渋谷事変のラストでしれっと九十九の仲間になっていたことが判明しました。

 まあ、変人同士気が合ったんでしょう。


呪術廻戦、九十九由基の関係者?(東堂、虎杖)

東堂葵の師匠、口癖と女の好みの由来

 九十九は東堂葵の師匠です。

 東堂が小3の時、河原で高校生をボコっていた東堂に「ナイスファイト!」と声をかけ、そのまま呪術師としてスカウトしました

 ちなみに東堂の口癖である「どんな女が好みだ?」は、九十九由来であり、スカウトの際にも九十九は東堂に「どんな女が好みかな?」と尋ねています。

 つまり、東堂のいかれ具合の何割かは九十九由来ということですね。

 更に言うなら、東堂の好みである「尻とタッパのでかい女」というのは、九十九そのもの。

 ……この二人の現在の絡みと関係が見てみたいな。

虎杖の母親(黒幕)説も流れたが?

 九十九は、羂索の存在が明かされるまでは、虎杖の母親(=黒幕)説も流れていました。

 その理由というのが、九十九の設定上の怪しさと目の下の線。

 目の下の線が虎杖のデザインと似通っているからと、きっと親子に違いないと考察するファンが多数いたのですが、実際はただの涙袋で関係ないと芥見先生が明言。

 虎杖の母親も恐らく羂索であることが明かされ、この親子の組み合わせは幻となったのです。

呪術廻戦、九十九由基は元星漿体、天元との因縁

天元に拒絶される理由

 九十九に関し、一番の謎と言えば天元との関係。

 天元は日本呪術界の根幹をなす、人というよりシステムに近い存在で、九十九とは以前から面識があることが明かされています。

 天元は普段は結界の奥に引きこもっていて姿を見せませんが渋谷事変後、虎杖たちは九十九と共に天元に会いに行っています。

 この時九十九は、天元が自分を拒絶し、姿を見せないのではと危惧していました。

 しかし、何故天元が九十九を拒絶するのか、その理由についてはその時点では語られず仕舞い。

 てっきり、九十九が羂索のように天元を悪用することを危惧しているのかと思われましたが……

九十九由基は元星漿体

 202話で判明した九十九由基が元星漿体という衝撃の事実。

 星漿体とは天元が人の器に留まり続けるために天元と同化する、生贄のようなもの。

 今代では12年前に亡くなった天内理子が該当します。

 天内理子が殺されたことで同化は失敗し、現在の天元は人ではない高次の存在へと進化済。

 それは他に方法が無かったためと思われていましたが、しかし実は星漿体の資格を持った存在は天内だけでなく、他にも存在していました。

 その一人が九十九由基。

 ただ、天内理子が星漿体として最も高い資質を持っており、それ以外の星漿体候補者では同化しても上手くいく(=人類の敵にならない)保証が無かったようです。

 そのため、天元は天内以外の星漿体候補者との同化を拒絶し、リスクを承知で高次の存在へと進化した、と発言していました。

 九十九が天元に拒絶されている、と考えたのは、その辺りの事情があったから。

 九十九は元生贄候補。
 天元からすれば、恨まれていると考えて当然です。

 実際、九十九が呪霊のいない世界を作ろうとしていたのは、天元という存在が不要な世界を作るためとも考えられ……

呪術廻戦、九十九由基、羂索に敗れ死亡

 天元を狙う羂索を脹相とタッグを組み迎え撃った九十九。

 しかし羂索の呪霊操術と重力(正確には反重力)の術式によるシナジー効果はすさまじく、九十九は必死に猛攻を仕掛けるも、羂索によって真っ二つにされてしまいます。

 死に体の九十九が最後に選んだ手段は質量の無限付与によるブラックホール生成という自爆技。

 凄まじい一撃でしたが、羂索の「反重力」の術式(それまでの攻撃は術式反転)とは致命的に相性が悪く、凌がれてしまいました。

 天元の結界や、九十九が世界を滅ぼさないようブラックホールを制御したことも影響していましたね。

 九十九はそのまま死亡。

 強敵相手とはいえ、あまりに早く、あっさりとした退場でした。

【まとめ】「呪術廻戦」キャラクター考察wiki

 



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