今回は「ジャンプ+」の記録を更新し続ける話題作「怪獣8号」から、すっかり市川レノの相棒役に収まりつつある熱血漢「古橋 伊春(ふるはし いはる)」について解説します。
古橋伊春は防衛隊に日比野カフカらと同期入隊した若手有望株の一人。
作中では市川レノをライバル視し、何かにつけて張り合いながらも、才能の壁にぶつかり苦悩する日々を送っています。
本記事では古橋伊春のプロフィールや過去、作中での成長(解放戦力・覚醒)、市川レノとの関係を中心にその魅力を語ってまいります。
「怪獣8号」古橋伊春のプロフィール
基本プロフィール(年齢、身長、誕生日、声優など)
年齢 | 20歳(※) |
身長 | 177cm |
誕生日 | 7月23日 |
好きなもの | ロック、バイク、特撮ヒーロー、ゴリゴリ君(ソーダ味) |
声優 | 新祐樹 |
※「高専で5年」訓練を受けたという記述からの推定
古橋伊春は主人公の日比野カフカらと防衛隊に同期入隊した若手有望株の一人。
外見はキメキメのリーゼントが特徴的なヤンキー風の青年で、見た目通り言葉遣いや態度はやや粗雑ですが、素直な負けず嫌いで場の空気を明るくしてくれるムードメーカーです。
防衛隊では同期の市川レノに何かと張り合って行動を共にすることが多く、実質的なレノの相棒役に収まりつつあります(レノは一応カフカの相棒役ですが、別行動をとることが多いので……)。
ちなみに作者は伊春の髪型が大好きらしく(曰く「普段の男っぽさと乱れたり降ろした時の色気の落差が他の髪型のおよそ3倍!」)、登場シーンの多さに関しては同期の中でも何かと優遇されています。
亜白ミナに憧れ、八王子討伐高専を経て防衛隊に入隊した熱血漢
古橋伊春は第三部隊隊長の亜白ミナに中学生の頃に助けられ、彼女に憧れて防衛隊を目指したという経歴の持ち主。
亜白ミナは彼らの世代のスーパーヒーローで、同世代の隊員たちのほとんどは、多かれ少なかれミナに憧れを持っていますが、伊春が特にミナへの憧れが強いようです。
中学卒業後は八王子討伐高専に入学し、そこではずっとトップを独走。
自分の力の底が見えず、亜白ミナ、鳴海弦、四ノ宮功といった防衛隊の英雄たちと並ぶ存在になると、信じて疑っていませんでした。
「怪獣8号」古橋伊春の強さ(覚醒・解放戦力・発雷弾)
八王子討伐高専主席卒業の有望株だが、入隊以降解放戦力が伸び悩む
八王子討伐高専を首席で卒業した古橋伊春は有望株の一人として防衛隊に入隊。
そこで伊春は初めて自分以上の才能を目の当たりにします。
伊春は入隊時の体力試験で3位、解放戦力14%(入隊時の10%越えは年に1人出るかどうか)と中々の好成績を残したものの、新入隊員全体でみれば4番手。
四ノ宮キコル(体力試験5位、解放戦力46%)
出雲ハルイチ(体力試験2位、解放戦力18%)
神楽木葵(体力試験1位、解放戦力15%)
その時点ではまだ伊春も彼らに追い付き、追い越せると疑っていませんでした、が……
入隊後2か月が経過した時点で伊春の解放戦力は14%→20%に伸びたものの、そこでピタリと成長が止まってしまいます。
ほとんどの隊員は解放戦力20~30%の一般隊員としてキャリアを終えると言われており、伊春はその壁にぶつかってしまったようです(その後、第4部隊で数か月訓練を積んでようやく24%)。
先を行く者たちとの差はますます開き、そして後ろからは本当の怪物が彼を追い抜いていくことに……
発雷弾を試すなど工夫
今のところ、古橋伊春の戦闘スタイルは標準装備のアサルトライフルを用いた中距離戦です。
ややスタンドプレーは目立つものの、特殊な技巧を駆使している様子はありません。
作中では怪獣9号の襲撃を受けた際にはサブのハンドガンに発雷弾を組み合わせて使用するなど、色々と工夫していました。
その時点では発雷弾はあくまで動きの速い敵への足止め目的で、メインウエポンとして運用するつもりはなかった様子(攻撃力なら通常の炸裂弾の方が大きい)。
しかしその後、63話ではメインのアサルトライフルに発雷弾を組み合わせ、レノの凍結弾との併せ技で怪獣に大きなダメージを与えることに成功していました。
レノの危機に迷いを吹っ切り覚醒(瞬間適合者)
レノを初めとした天才たちとの才能の差に鬱屈し、伸び悩んでいた伊春。
しかし6号兵器の試験で窮地に陥ったレノを目の当たりにし、彼を助けることだけに集中した伊春は迷いを吹っ切り、戦士として飛躍的に成長します。
その時点で24%だった解放戦力は、不安定ながらも小隊長格と呼ばれる40%を突破。
副隊長からは「ゾーンに入った瞬間戦闘力が跳ね上がってる印象」、第4部隊長の緒方と同じ「瞬間適合者(フラッシュアダプター)」であることが判明します。
瞬間適合者とは、脳の構造により完全解放状態を維持できない代わり、瞬間的に爆発的な戦闘力を発揮するタイプ。
102話では解放戦力88%と隊長格クラスの戦闘力を発揮していました。
「怪獣8号」古橋伊春と市川レノ(挫折と成長)
市川レノをライバル視、その才能に嫉妬と挫折を繰り返す
古橋伊春は入隊以降、市川レノをライバル視し、何かにつけて張り合っています。
入隊時の成績では伊春が圧倒的に優っていましたが、レノは凄まじい速度で成長を遂げ、入隊後2か月で解放戦力8%→18%と飛躍的な成長を遂げ、伊春の20%に迫る勢い。
しかも初めての実戦では、レノは凍結弾を駆使して一人で余獣を討伐するなど、伊春がついて行けないと感じるほどの活躍を成長を見せます。
対照的に伊春は、怪獣9号の襲撃時にレノに庇われてしまう始末。
そしてダメ押しのように、レノは最強の識別怪獣兵器と呼ばれる6号兵器の適合者に選ばれ、完全に手の届かない存在になってしまい……
伊春はレノの才能に嫉妬し、その都度そんな自分を嫌悪し、前を向こうとしていますが、才能の差は如何ともしがたいものがあるようです。
市川レノを支え、張り合うことで男として成長を遂げる
防衛隊員としての才能に底が見えたかと思われた伊春ですが、それでも彼は確実に成長を続けています。
怪獣9号の襲撃時には、レノに庇われ足手まといになりながらも意地を張りとおし、レノを守ろうと最後まで戦い続けました。
プライドも何もかなぐりすて、ただ仲間を守るためだけに全力を尽くしたその姿にこそ、伊春の本質と成長が見えたような気がします。
「頼むよ神様」
「いや鬼でも悪魔でも」
「なんだっていい」
「レノを……」
「俺の仲間(ダチ)を助けてくれ」
とは言え、その後も才能の差、そしてそこから生じる嫉妬や劣等感に苛まれ続けていた伊春。
しかし彼はそこから逃げることなく、負の感情や現実と向き合うことで戦士としても男としても大きく成長を遂げます。
6号兵器の試験で気負うあまり窮地に陥ったレノを目の当たりにし、ただ彼を救うことだけに集中した伊春。
彼は自分が怪獣の核を攻撃可能な状態までもっていくので、お前が狙撃で核を撃ち抜けとレノに告げます。
そしてそれでは伊春が危険だと反駁する伊春に頭突きをかまし、
「なんでもかんでも」
「一人でやろうとしやがって」
「オメーは年下なんだから」
「黙って俺に頼っとけ!」
全ての迷いを吹っ切った伊春は宣言通り、レノが氷結した箇所を発雷弾で撃ち抜き、見事に怪獣の核を露出させることに成功。
レノの狙撃によるトドメへと繋げたのです。
……個人的にはもう、レノと伊春のコンビが主役でいいよ。
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