今回は人気ファンタジー「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(以下「ダンまち」)」から、物語の重要ワード「スキル」について解説します。
スキルは作中で冒険者たちが神の恩恵(ファルナ)により授かる能力の一つ。
神の恩恵の中でも最も多様で個性が色濃く表れ、必ずしも全員が発現するわけではありません。
「発展アビリティ」との違いなど少し分かりづらい部分のあるスキル。
本記事ではそんな今更聞けないワード「スキル」とは何かについて解説してまいります。
「ダンまち」スキルとは?
恩恵を受けた者の本質を投影する鏡
「スキル」とは冒険者たちが神の恩恵(ファルナ)により授かる能力の一つ。
「力」「耐久」「器用」「敏捷」「魔力」の五つのステイタスからなる「基本アビリティ」が器の強化であれば、スキルは器の中で特殊な化学反応を起こすものとされています。
万人が授かるものではなく、その効果も人によって千差万別。
ちょっと能力や耐性に補正をかけるだけのものもあれば、異常な成長をもたらしたり、肉体を変容させたり、発展アビリティを一時的に発現させたりと、ある意味何でもありの能力となっています。
なお、スキル名は本人の心の鏡ともされていて、本人の願望や神への忠誠がそこに反映されることが多々あります。
発現のタイミングや制限の有無
スキルは神の恩恵の中でもっとも制限のない自由な能力。
例えば発展アビリティはLV2以上へのランクアップのタイミングで一つずつしか発現しませんが、スキルはランクアップの時以外でもいつでも発現する可能性があります。
また魔法は一人に付き最大三つまで(魔法スロット数は1~3の間で最初から決まっていて、その数までしか習得できない)という制限がありますが、スキルにはそうした習得可能数の制限もありません。
とは言え、才能に恵まれ経験豊富な第一級冒険者であってもスキル数は1~3つ程度が大半で、それ以上発現しているのはベルやフィンなどごく一部となっています。
「ダンまち」スキルと発展アビリティ
スキルとよく混同しやすいのが「発展アビリティ」です。
発展アビリティとは、「力」「耐久」「器用」「敏捷」「魔力」の五つの「基本アビリティ」とは別に、「鍛冶」や「魔導」「耐異常」など、より専門的な能力を補正する派生能力。
誰でも発現するわけではないという点では「スキル」と似ていますが、「スキル」ほとの多様性はなく、発現タイミングも各ランクアップ時に一つだけと定められています。
ざっくりまとめると。
【基本アビリティ】
・「力」「耐久」「器用」「敏捷」「魔力」
・誰もが最初から持つ能力補正。
・1~999までの数字と「I」~「S」までの等級で表され、ランクアップ時にリセットされる。
【発展アビリティ】
・「鍛冶」「魔導」「耐異常」「剣士」など
・LV2以上のランクアップ時にそれまでの経験を反映して一つだけ発現する可能性がある。必ずしも発現するとは限らず、例えばLV2の冒険者であれば1つ、LV5の冒険者であれば最大4つの発展アビリティを発現し得る。
・基本アビリティと違って数字はなく、「I」~「S」までの等級でのみ表され、ランクアップしても等級はリセットされない。
【スキル】
・【憧憬一途(リアリスフレーゼ)】【英雄願望(アルゴノゥト)】など
・いつでも、いくつでも発現可能。ただし神の判断により発言を見送られるケースもある(ヤマト・命の自爆系スキルなど)。
・等級などは存在しない。
「ダンまち」ベルのスキルはチート
主人公、ベル・クラネルは祖父から英雄の器じゃないと酷評されつつ、実際には常軌を逸した成長速度で第一級冒険者にまで上り詰めたチートキャラ。
彼は原作19巻時点で4つのスキルを習得していますが、その中でも最大のチートスキルがこれです。
【憧憬一途(リアリスフレーゼ)】
・早熟する。
・懸想が続く限り効果持続。
・懸想の丈により効果向上。
文字だけ読むと「早熟」で若干マイナスイメージもあり、あまり大したことなさそうに見えますが、実はこれがとんでもない成長促進系スキル。
本人の心の純粋さと相まって、このスキルがベルを常人の何十倍もの速度で成長させていきます。
この他にも純粋無垢で想いが神の恩恵に反映されやすいベルは、原作19巻時点でこれ以外に3つ、計4つのスキルを発現。
これは彼の心が特別強いからというよりは、その性質が神の恩恵と相性が良かった、と考えるべきでしょうね(そうでないと他のキャラの想いがショボいからスキルもショボいんだってことになってしまうので)。
「ダンまち」作中で登場するスキルの例
以下では作中で登場する特徴的なスキルを抜粋して紹介していきます。
個別のキャラが習得しているスキルについては、一番下の「キャラクター一覧」のリンクから個別のキャラの解説記事にとんでご確認ください。
一般的な(?)スキル
とんでもスキルが多数登場するこの作品ですが、チートじゃない一般的なスキルと言えばこんなものですよ、というイメージ。
【縁下力持(アーテル・アシスト)】
・一定以上の装備過重時における能力補正(重量に比例)。
・要はモノがたくさん持てるようになるスキル。
(所持者:リリルカ)
【妖精星唱(フェアリー・セレナード)】
・魔法効果増幅。
・夜間、強化補正増幅。
(所持者:リュー)
【勇猛勇心(ノーブル・ブレイブ)】
・精神汚染に対する高抵抗。
(所持者:フィン)
種族系スキル
スキルは本人の心だけでなく、種族特有の個性を反映したものも存在します。
以下は判明している獣人の固有スキル。
【月下狼哮(ウールヴヘジン)】
・月下条件達成時のみ発動。
・獣化。
・全アビリティ能力超高補正。
・異常無効。
(所持者:ベート)
【戦猪招来(ヴァナ・アルガンチュール)】
・任意発動。
・獣化。全アビリティ能力超高補正。
・発動毎に体力および精神力大幅減少。
(所持者:オッタル)
チートスキル
作中でも特にチートなスキル。
【英雄願望(アルゴノゥト)】
・能動的行動に対するチャージ実行権。
(所持者:ベル)
単純なチャージによる威力向上ですが、その倍率は高く、ベルの格上殺しのキーとなっているスキルです。
【復讐姫(アヴェンジャー)】
・任意発動
・怪物種に対し攻撃力高域強化。
・竜種に対し攻撃力超域強化。
・憎悪の丈により効果向上。
(所持者:アイズ)
アイズが所有する唯一のスキルですが、特攻対象に対する強化幅は下界の歴史の中でも最高となっています。
【妖精王印(アールヴ・レギナ)】
・「魔力」のアビリティ強化。
・自身の魔法円内に存在する同種族の魔法効果を増幅させる。
・自身の魔法円内で消費された同種族の魔素を精神力に変換し吸収する。
(所持者:リヴェリア)
リヴェリアの近くにいるエルフは強化された魔法を精神力が尽きることなく撃ち続けることができるというエルフの王族らしいチートスキルです。
【魔剣血統(クロッゾ・ブラッド)】
・魔剣作製可能。
・作製時における魔剣能力強化。
(所持者:ヴェルフ)
本来「鍛冶」の発展アビリティを習得しないと作れない「魔剣」を、LV1の時点で他者とは隔絶したレベルで作ることが出来るスキルで、間違いなく生産職界隈では最大のチート。
【我戦我在(ストルトス・オッタル)】
・戦闘続行時、発展アビリティ「治力」の一時発現。
・戦闘続行時、発展アビリティ「精癒」の一時発現。
・戦闘続行時、修得発展アビリティの全強化。
・戦闘続行条件は能力に比例。
(所持者:オッタル)
前衛に必要な能力全部一つに詰め込みましたという頭の悪いセットスキル。
コメント