今回はその強烈すぎるストーリーとキャラクターで話題を攫った傑作漫画「チェンソーマン」より、「チェンソー様」大好き魔人「ビーム」について解説します。
ビームは公安に所属する魔人の一人で、パワーが血抜きのため不在となった際には一時的にデンジのバディにもなったキャラクター。
魔人らしく知能はかなり低めですが「チェンソー様」ことデンジへの忠誠心は異常に高く、作中では数々の謎めいた発言を残したことでも知られています。
本記事ではそんなビームの正体と名前の由来、彼が口にした”願い”とその最期(死亡)を中心に、その謎について深掘りしてまいります。
「チェンソーマン」ビームのプロフィール
頭が緩くてかわいい「チェンソー様」大好きサメの魔人
ビームは公安対魔特異4課に所属するサメの魔人(悪魔が人間の死体にとりついた存在)です。
外見は頭の上半分がサメの頭部と背びれを模した形に変形した男性。
性格はただただハイテンションな馬鹿。
一般的な魔人と同様に知能と理性はあまり高くなく、普段はまともに会話も成立しません。
ただ何故かデンジのことは「チェンソー様」と呼んで熱烈に慕っており、彼の為なら躊躇うことなくその身を投げ出し、理不尽な扱いにも喜んで応じています。
「チェンソー様! チェンソー様ア‼」
デンジとの初対面では、興奮のあまりデンジに抱き着いてぶん殴られていましたが、本人は全く気にした様子もなく大喜びでした。
声優は花江夏樹さん(無駄遣いにもほどが……)。
パワーの代打として一時的にデンジのバディに、色々と秘密を知っていたようだが……
ビームはレゼ編において、血を吸い過ぎて一時的に離脱したパワーの代打として一時的にデンジのバディとなりました。
クライマックス前、レゼに襲われ瀕死のデンジを連れて公安まで逃げ込むビーム。
その際、ビームが発した次の言葉は作中における謎の一つとなっていました。
「ボムが来る……!」
「ボム……銃の悪魔の……仲間!」
ボム(=レゼ)の存在、しかも彼女が銃の悪魔の仲間であるという情報は、一介のデビルハンターましてや魔人が知り得るものではありません。
なぜそんなことを知っているんだと早川アキから問い詰められますが、
「話したら殺される……!」
「マキマ様と約束……!」
とそれ以上何も語りません。
この一連のやり取りにより、単なるおバカキャラかと思われていたビームが一気に謎めいた存在となっていきました。
「チェンソーマン」ビームの強さと正体(名前の由来)
サメに変身し、どこでも潜行可能なデンジの移動手段
ビームは戦闘能力に関して言えば、弱くはないのでしょうが、周りが化け物揃いであり、特別強いという印象はありません。
彼の本領はその便利な移動能力にこそあります。
ビームはサメの魔人であり、壁の中や地面、どんな場所でも泳ぐことができるという能力を持っています。
また、短時間であれば本来の悪魔の姿であるサメに変身することも可能。
それが発揮されたのはレゼ戦。
ビームはデンジに対し、かつてのチェンソーマンが高速移動していた方法を伝えます。
「チェンソーのチェーン使って」
「移動してた……!」
「チェーン飛ばして引っ掛けて」
「建物から建物へ……!」
その言葉を聞いたデンジはピンと閃き、ビームにサメ形態になるように命じます。
そしてチェーンをビームの口に引っ掛け、ビームを調教して馬のように走らせようとしたのです。
どう考えてもビームの意図した移動方法ではありませんが、ビームは大好きなチェンソー様の馬になれるならこれはこれで有りと判断したのか、喜び勇んでレゼと台風の悪魔相手にツッコんでいきました。
彼らの勇姿が描かれているのは49話「シャークネード」。
神回です。
チェンソーマンの眷属であることが判明、名前の由来は智天使(ケルビム)
ビームは後に、マキマの口からかつてチェンソーマンの眷属であった8体の悪魔・魔人の1体であることが明かされます。
詳細はこちらポチタの解説記事をご覧いただければと思いますが、眷属はそれぞれ9つある天使の階級の名を冠しており、ビームの名前はその第2位・智天使ケルビムに由来しています。
デンジと出会う前のチェンソーの悪魔(=ポチタ)とも現世で面識があるようで、他の眷属とは異なり、しっかりと自分がチェンソーマンの眷属であることを認識していました。
ただ具体的に、チェンソーマンの眷属とはいかなる存在だったのかという根本的な疑問については、第一部終了時点で謎のままとなっています。
「チェンソーマン」ビームの願いとその最期(死亡)
最期までチェンソーマンを守り続けるが、闇の悪魔に切り刻まれ死亡
ビームはサムライソード編で初登場し、レゼ編ではデンジの仮バディとして活躍しましたが、続く世界の刺客編において命を落としてしまいます。
ドイツからの刺客サンタクロースの手によって地獄へと落とされてしまったデンジたち。
そこで彼らは根源的恐怖の悪魔の一体である闇の悪魔に遭遇してしまいます。
闇の悪魔にただ敵意を向けられただけ、横を通られただけで切り刻まれていく仲間たち。
絶望的な状況の中、腕を捥がれたビームは死亡していたデンジに自分の血を飲ませ、そのチェンソーのエンジンをふかして復活させようとします。
「どうか蘇って……」
「オレたちの願いを……」
しかし次の瞬間バラバラに切り刻まれ、あっさりと死亡するビーム。
彼の必死の行動もあって、デンジは不完全ながら復活を果たしますが……
ビームの謎、彼が口にした「俺たちの願い」とは?
さて、第一部で死亡してしまったビームですが、彼には多くの謎が残されたままになっています。
ざっと列挙してみると、
①チェンソーマンや銃の悪魔に詳しい理由
②マキマとの約束・関係
③最後の言葉「オレたちの願い」
①について、悪魔は地獄での出来事をほとんど覚えていられませんから、チェンソーマン(ポチタ)との眷属というだけでは説明がつきませんね。
恐らくビームは現世でチェンソーマンと会ったことがあるのでしょう(そしてチェンソーマンは銃の悪魔と戦ったことがあるのではないでしょうか)。
②について、ビームはマキマと協力関係にあったのではと推察されます。
単にマキマに支配されていたにしては自由に動き過ぎていますし、チェンソーマン復活という共通の目的のために協力していたのではないかな、と。
マキマに完全に支配されていなかったのは、マキマがチェンソーマンのファンであり、彼の眷属たちを完全に下とは認識できていなかった可能性が高いですね(マキマが支配できるのは、彼女が自分より下と認識した存在だけ)。
このように①、②についてはある程度想像がつきますが、③の「俺たち(=恐らくチェンソーマンの眷属)の願い」の内容については全くの不明。
ネット上ではマキマの「支配」に対抗して「自由」を求めて戦っていたんだ、みたいな考察が多いですが、そもそもチェンソーマンはマキマにこれまで何度も勝利していますから、マキマはチェンソーマンの宿敵足り得ないんですよね。
何より、そんな分かりやすい展開を藤本タツキが用意するとはとても……
チェンソーマン(ポチタ)の正体、存在理由そのものに関わる謎で、恐らくは第二部で明かされることになるのでしょう。
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