今回は「ONE」先生原作の大人気作品「ワンパンマン」から、本作最大の謎の一つ「神」について考察したいと思います。
「神」とは作中の要所で登場し、怪人たちに神通力と呼ばれる強力な力を授ける謎の存在。
極めて強力な力を持ち、人類に害意を持っていることは判明していますが、その正体は原作でも謎のままとなっています。
恐らくは「ワンパンマン」最大の敵となるだろう「神」。
本記事ではこれまでに判明している情報を整理し、その目的や正体について考察してまいります。
「ワンパンマン」神ってどういう存在?
怪人たちに神通力を与える謎の存在
「神」とは物語の要所要所で登場し、怪人たちに「神通力」と呼ばれる強力な力を与える謎の存在です。
その姿は木の根、あるいは木星の柄のようなものが複雑に絡み合ってできた人型の巨人として描かれています。
主に力を授けられたものの精神世界か、あるいは月の裏側から人々を睥睨する形で作中に登場。
その正体は今のところ全くの不明ですが、自分にとって都合の良い存在に「神通力」を与えることで、自らの代行者を生み出しています。
また力を付与した存在が「神」の意に沿わぬ行動をした場合、その「神通力」は没収され、没収された存在は死亡してしまうようです。
なお「神通力」には宇宙放射線など生物の生存を脅かす性質があります。
地下の壁画にその存在が描かれていた
リメイク版154話では怪人協会地下祭壇の壁画に「神」と思しき存在が描かれていました。
「我々の神は遥かな時を超え」
「地上に復活するだろう」
「この祭壇に捧げられた」
「ふさわしい生贄によって」
怪人王オロチは壁画を見て自分こそがその「神」だと考えていましたが、オロチはその予言の壁画の一部しか見ることが出来ておらず、実はオロチに似た怪物の上には「神」のごとき巨人が描かれており……
S級1位ヒーロー「ブラスト」と敵対
「神」は謎に満ちたS級1位ヒーロー「ブラスト」と敵対していることが判明しています。
「神」は自らの代行者を作るため、その媒介となる黒いキューブ上の通信端末をあちこちにばらまいているのですが、それを回収しているのがブラスト。
「神」もブラストの存在を認知しており、ブラストの存在を感じ取った際には激しく反応していました。
ブラストは20年来「神」と戦い続けており、2年前には「神」から力の取引を持ち掛けられたことさえあったそうです。
その後、ブラストは他のヒーローや職員たちは「神」を認識していない方が狙われるリスクが減るだろうと考え、理由も告げず行方をくらましたという体にしてヒーロー協会と距離を置くことにしたようです。
「ワンパンマン」神が神通力を与えた者たち
作中で「神」は複数の存在に神通力を与えていました。
ここでは神通力を与えられた者、与えられそうになった者、与えられた可能性がある者について整理していきます。
ホームレス帝
神通力を与えられた代行者の代表格が、怪人協会幹部にして災害レベル「竜」の怪人ホームレス帝。
その様子はリメイク版148話のホームレス帝の回想シーンで描かれています。
元々ただの中年サラリーマンだったホームレス帝ですが、新入社員歓迎会で上司に裸踊りをさせられた挙句、翌日セクハラ扱いで会社をクビに。
ホームレスとなり空を眺めている内に地球の偉大さと人間の愚かさを悟り、醜い人間社会から脱却しようと自殺を試みた時、彼の前に「神」が現れました。
「おまえは正しい」
「人間は愚かだ」
「だがおまえが死ぬ必要はない」
「おまえに力を授けよう」
そうしてホームレス帝は力を手に入れました……改めて文書にするとホントやべー奴だな。
ガロウ
続いて不完全ながら代行者となったのがガロウです。
その様子が描かれているのはリメイク版209~210話。
サイタマ先生にボコボコにされ絶望するガロウに、「神」はシルバーファングに化け、力を授けようと手を差し伸べます。
ガロウはその手を振り払いますが、僅かなりとも「神」に触れてしまったことで代行者に。
しかし流水の勁により「神」の支配力をコントロールし、完全なの操り人形となることは防いだガロウ。
元々が災害レベル「竜」以上の力を持っていたこともあり、神通力を得たガロウはもはやサイタマ先生以外では全く対抗しえない絶対悪へと変貌していました。
サイコス
代行者というわけではなさそうですが、「神」の存在に触れ、その力の一端を得たのが怪人協会の黒幕であるサイコスです。
サイコスは怪人王オロチと合体する際に「神」と接触(リメイク版176話)。
単に怪人王オロチと合体しただけでは得られない強大な力を手にしていました。
虚空のヴォイド(あのお方)
忍の里を創設者であり、かつてブラストの仲間でもあった存在が虚空のヴォイド。
戦いの中で「神」に取り込まれてしまいました。
彼は「神」の授けた力により次元移動能力を持ち、次元斬というとんでも斬撃まで操ります。
「神」のいる高次元からの干渉は距離もエネルギーもサイズも無視できるということが明かされています(どの程度無視できるかは扱う者の力量次第)。
(候補)ワクチンマン・ムカデ仙人・エビル天然水
その他、直接的な描写はないものの「神」の代行者ではないかと思われる怪人がいくつか。
まずは第1話に出てきたワクチンマン。
ホームレス帝の神通力と酷似した力を使い、災害レベル「竜」と強力な怪人で、人類抹殺を訴えていたことから、ファンの間で代行者なのではと噂されています。
またムカデ仙人とエビル海洋水の二体もリメイク版201話で「神に仇なす忌むべき拳を滅すべく」遣わされた存在だと名乗っており、発言内容からすると代行者である可能性が高そうです。
(未遂)タツマキ・サイタマ・フラッシュ・マナコ
この他、未遂ですが「神」が代行者に仕立て上げようとした者も。
一人はタツマキで、リメイク版201話で「神」はブラストに化けてタツマキに接触しましたが、タツマキはそれがブラストでないことを見抜き、誘惑をはねのけていました。
また怪人協会の地下を彷徨っていたサイタマ・フラッシュ・マナコ(単眼のザコ怪人)も、偶然「神」の端末に触れてしまい、その誘惑を受けます。
この時はその誘いに乗る前にブラストが介入して事なきを得ました。
「ワンパンマン」神と災害レベル「神」の関係
「神」を考察する際、いつも話題となるのは災害レベル「神」との関係です。
災害レベルとは怪人の脅威度を示す5段階の指標で、「神」はその最上位。
その脅威度は「人類滅亡の危機」を指し示します。
今まで作中で登場した怪人で災害レベルの最上位は上から2番目の「竜」。
「竜」以上や「不明」と表記されたことはあっても、実際に災害レベル「神」の怪人が登場したことはありません。
まあ、覚醒ガロウとかはもう災害レベル「神」に相当するとは思いますけどね。
恐らくは実際に「神」が降臨した際、初めて公式に災害レベル「神」という言葉が使われるのではないかと推測されます。
「ワンパンマン」神の目的や正体は?
さて、それではこれまでに判明した「神」の情報を元に、その目的や正体を考察していきましょう。
神の目的は人類抹殺?
「神」は一貫して人類を滅ぼすために行動しており、その目的が人類の抹殺にあることは疑いの余地がありません。
ファンの間では「神」とは地球の意思そのものであり、地球にとって有害な人類を抹殺しようとしているのだ、という説が主流。
とは言え、もしそうだとすると「神通力」が宇宙放射線など、人間以外の生命体にも有害な力を帯びていることは少し矛盾している気がします。
人間が地球環境を破壊しているから排除しようとしているのに、そのために他の生き物も住めなくなってしまったら元も子もありませんからね。
かつて何者かに倒された(封印された)存在?
「神」の正体を考える上で気になるのが、怪人協会の地下にあった壁画。
そこには「我々の神」「遥かな時を超え」「地上に復活」という文言が含まれていました。
つまり「神」とは遠い昔に何者かによって信仰されていたものの、何らかの理由により今は本来の力を失っている存在だと解釈できます。
もし「神」が地球の意思だとすると、この文言は馴染まない気がしますね。
素直に考えれば「神」とは遠い昔に人類と敵対していた超越存在。
そして「ワンパンマン」という作品の構図や結末を含めて考えると、恐らくサイタマ先生は「神」という圧倒的な理不尽に対抗するため、世界によって生み出された抗体のようなものではないのでしょうか。
あるいは大昔にもサイタマ先生のような化け物が存在していて、それが「神」を倒したのかもしれません。
そうだとするとサイタマ先生が「神に仇なす忌むべき拳」と評されていたことにも説明が付きますしね。
さて、神の正体、その真相は如何なるものなのでしょうか……?
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