今回は原作・赤坂アカ、作画・横槍メンゴの豪華タッグがヤングジャンプで連載中の人気作【推しの子】から、主人公の一人「星野ルビー」について解説します。
星野ルビーはカリスマアイドル「アイ」の隠し子として生を受けた双子の妹。
亡き母の想いを継いでアイドルを目指しますが、当初は中々うまくいかず、物語の主役も兄のアクアに奪われがちでした。
しかし、ある人物の死を知ったことで復讐心に目覚め、物語のキャラクターとしてもアイドルとしても覚醒を遂げつつあるルビー。
本記事ではルビーの前世や闇堕ちの経緯、瞳の星(左目→両目)の意味などを中心に解説していきます。
【推しの子】星野ルビーのプロフィール
基本プロフィール
星野ルビーは本作の主人公の一人。
カリスマアイドル「アイ」の隠し子として生を受けた双子の妹で、母のようなアイドルになることを目指しています。
母譲りの抜群のルックスの持ち主で、左目に星型のハイライトが宿っているのが特徴(星については変化もあり、詳細は後述)。
性格は天真爛漫で明るく前向き、ちょっぴり頭が緩いところもチャームポイント。
兄のアクアと同様に前世の記憶を持っており、前世から続く生粋のドルオタで「アイ」の大ファンです。
「アイ」と接する際はややキモめのオタが顔を覗かせ、正体不明の自分たちの父親の話になった時は「処女受胎に決まってるでしょ」と闇深い発言をしていました。
実際は単に明るい少女ではなく、周囲が望む理想の子供を常に演じ続けてきた天性の嘘吐き、アイの同類ですね。
ちなみに名前は漢字で書くと「星野瑠美衣」。
所謂キラキラネームですが、兄のアクア(本名「星野愛久愛海(アクアマリン)」)よりはマシなため、相対的にあまり目立っていません。
声優は伊駒ゆりえさんが担当しています。
アイドルとしての星野ルビー
ルビーは苺プロ所属のアイドルで、母の「アイ」が所属していたアイドルグループ「B小町」の名を受け継ぎ、新生「B小町」として活動しています。
抜群のルックスにダンスセンス、天性の演技力を併せ持つ一方で、歌唱力だけは非常に残念。
物語序盤は活動実績も少なく、所属プロダクションも弱小ですが、多くの人が彼女に売れる「可能性」を感じ取っていました。
活動当初は嘘を嫌い、純粋なかわいさで勝負していましたが、ある出来事が切っ掛けで、売れるためなら嘘を是とする「アイドル(=嘘吐き)」に変貌。
闇堕ち的な印象もありますが、これによりルビーはアイドルとして間違いなく一皮むけました。
【推しの子】は嘘を「愛」と呼ぶ作品ですから、上手く騙し続けている限り、嘘吐きは決して悪いことではないんですよね。
ここで原作者の別作品より抜粋。
「嘘を隠し通すものは嘘をつかない者より真摯である」
【推しの子】星野ルビーの前世/天童寺さりな
難病で夭折、アイの大ファンでゴロー(アクアの前世)の患者
ルビーの前世は「天童寺さりな」という少女。
「退形成性星細胞腫」という難病を患っており、その生涯のほとんどを病室で過ごし、12歳という若さで夭折しました。
来世の母親でもある「アイ」の大ファン。
「アイ」と同い年ということもあって、なおのこと彼女に憧れていたようです。
両親からは真っ当な愛情を受けることができなかったようで、さりなが亡くなる時でさえ両親は病室に顔を出そうとしませんでした。
そうした事情もあってか、さりなは当時研修医で自分と親しくしてくれた雨宮吾郎(=兄・アクアの前世)に懐き、好意を寄せていました。
さりなが「好き」「結婚して」と伝えると、吾郎は「16歳になったら真面目に考えてやる」とかわす、よくある少女と年上のお兄さんのような関係性。
たださりなは本気だったようで、転生してルビーとなった後も、一途に吾郎のことを想い続けており……
ちなみに声優は高柳知葉さんが担当。
母親・天童寺まりなとの関係
118話ではこの天童寺さりなの母親・天童寺まりなが広告代理店の人間として登場。
物語の鍵を握る映画「15年の嘘」に関わってきています。
天童寺まりなは恵まれた家庭に生まれた女性で、さりなが生まれた当初は娘に対して普通に愛情を注いでいました。
しかしさりなが4歳の時、さりなが難病で10年生存率が一割にも満たないと知らされ、天童寺まりなの心は壊れ、娘から目を逸らすようになってしまいます。
夫もまりなの心のケアを優先し、最期までさりなと向き合おうとはしませんでした。
天童寺まりなとその夫はさりなが亡くなったすぐ後に新たに息子と娘を作り幸せな家庭を築いていた模様。
病弱ゆえに切り捨てられた形のさりな(=ルビー)ですが、
「心の奥底では絶対」
「親は子供を愛するものなんだから」
と親に対する期待は捨てきれない様子でした。
しかし自分の死後、自分を忘れて幸せそうに暮らす両親の姿を見て……
【推しの子】星野ルビーはブラコン(アクアとの関係)
星野ルビーは何だかんだブラコンです。
兄であるアクアがシスコンなのは周知の事実で、この男は何と妹がアイドルになるのを心配して、ルビーがアイドルになるのを影でこっそり妨害していたほど。
そしていざ妹がアイドルになると、有馬かなやMEMちょといった有望な面子をメンバーにスカウトし、徹底的にサポート。
妹が芸能科のある陽東高校(偏差値40)を受けた際は、妹を心配して陽東高校の一般科を受けていました(アクアの偏差値は70)。
それに関し、ルビーから「シスコンなの」と解説され、有馬かなから「きっも!」と罵倒されていましたが、アクアはシスコンを一切否定しませんでした(潔いですね)。
そしてそんなアクアの影に隠れてはいますが、ルビーもまたブラコン。
兄が恋愛リアリティショーに出演して他の女にいい顔をしている時は非常に不機嫌になっていましたし、兄の女性関係には極めて潔癖で敏感。
兄に対しては絶対的な信頼を向けていることが見て取れます(一時裏切られたと思って拗れてましたけど)。
なお、ルビーもアクアも互いが前世持ちであることは知っていましたが、当初は前世で互いに知り合いだったことまでは把握していませんでした。
しかしアクアの方はルビーにさりなの面影を感じ取っていたのでしょう。
122話ではついに互いの前世について認識し、雨宮吾郎と天童寺さりなは再会を果たすことになりました。
「16歳になったら結婚」
「してくれるって言ったよね?」
「せんせ?」
「私もう16歳になったよ?」
……これもう、何か別の作品になってねぇか?
【推しの子】星野ルビー、雨宮吾郎(ゴロー)の死を知り闇堕ち
兄のアクアが母の死の原因を作った自分たちの父を探すため芸能界に入ったのに対し、当初ルビーは純粋に母のようなアイドルを目指していました。
そもそも母を刺殺した男は事件の後に自殺しており、ルビーには裏で糸を引いていた黒幕がいるという発想が浮かばなかったのです。
しかしそんなルビーにも転機が訪れます。
MVの撮影で訪れた宮崎、そこはかつて「さりな」が息を引き取った病院のある地でした。
撮影の合間、偶然に見つけてしまった白骨死体。
それはかつて彼女が慕い、行方不明になっていた雨宮吾郎のものでした。
ショックを受けるルビーの前に謎めいた幼い少女が現れ、ルビーにある事実を告げます。
「犯人は2人組」
「片方はアイドルのアイを刺し殺した」
母と雨宮吾郎、大切な2人を奪った男の片割れは、今ものうのうと生きている。
「見つけ出して」
「絶対に殺してやる」
復讐の念に目覚めたルビー。
皮肉にもその事実が彼女に凄みを与え、アイドルとして覚醒させることになったのです。
その後、アクアがずっと黒幕を探していたことを知るルビー。
今のところルビーは黒幕が自分たちの父親だと分かっていないようですが、アクアの行動からその人物が芸能界にいることだけは察しています。
黒幕を見つけ出すため、ルビーは手段を選ばず芸能界でのし上がろうと躍起になり、順調に躍進していくのですが、その急激で強引なやり方は至る所で亀裂を生むことに。
アクアがルビーに自分が雨宮吾郎であることを伝え、ルビーの暴走は収まったのですが、前世からの想い人である雨宮吾郎の存在にルビーは別方向に暴走を始めてしまい……
【推しの子】星野ルビーの瞳の星の意味(両目)
ルビーの左目に浮かんでいる星は、アイやアクア、そしてアイを模倣している時の黒川あかねなどにも見られる特徴です。
恐らくこれは才能や人を惹きつける何か(「人を騙す目」「嘘を真実だと思わせる力」)が、星という形で表現されているものと思われます。
・星野アイ ……両目
・星野ルビー……左目
・星野アクア……右目
・黒川あかね……両目(演技中のみ?)
<109話で追加>
・カミキヒカル……両目
・片寄ゆら……右目
両目に星が浮かんでいたアイに対し、ルビーとアクアは片方ずつでどこか不完全な印象を受けますね。
しかしこの星には変化が見られ、79話で復讐心を自覚して以降、ルビーの星は両目に(122話でゴローとの再会して再び左目だけに)。
逆に復讐の対象を見失ったアクアは68話以降、一時右目から星が消えていました(その後98話で両目に星が宿って復活)。
これに関して、単純に凄みが増したということなのか、これまで「天性(=左目?)」だけでやってきたルビーが「執念・嘘(=右目?)」を手に入れたと解釈すれば良いのか、今のところはっきりとしたことは分かっていません。
本編2話と9話の冒頭で描かれているルビーとアクアが未来で受けるインタビューの様子を見ると、2人の瞳の星は元通り片目ずつとなっており、双子の両目の星はあくまで一時的なもののようですね。
【推しの子】星野ルビーと映画「15年の嘘」
内容はアイの死の真相を語る実録映画で、当初の想定キャストではルビーも旧B小町メンバー役の一人として出演を予定されていました。
アイの実子であるルビーを使うには、少しもったいないキャスティングですよね。
その後、五反田監督は久しぶりに再会したルビーがアイに瓜二つに成長している様を見て、ルビーを主演のアイ役に推すことに。
また主演候補のフリルも、ルビーにアイ役をやらせたいと考えていました。
ルビーは当初、仲違いしているアクアが関わる映画に出演することに消極的でしたが、黒川あかねからアクアがこの映画を通じてアイを殺した黒幕に復讐しようとしていることを教えられ、アイ役は自分にしか出来ないと一気にやる気に。
結局、主演候補の不知火フリル、黒川あかねとの個人間オーディションの末、(出来レースでしたが)ルビーがアイ役に決まっています。
この映画は「アイが自分を殺した男を許すかどうか」、その演技で全てが決まると言われており、果たしてルビーは「アイとして」どちらを選ぶのか……
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