「チェンソーマン」ヨル(戦争の悪魔)~おバカでかわいい第二部のキーキャラクター、チェンソーマンとの因縁と弱体化~

 今回はその強烈すぎるストーリーとキャラクターで話題を攫った傑作漫画「チェンソーマン」より、第二部のメインキャラクター「ヨル(=戦争の悪魔)」について解説します。

 戦争の悪魔は人付き合いの苦手な女子高生・三鷹アサに憑りついた悪魔。

 アサと肉体を共有しており、彼女に「戦争の悪魔って呼びにくい」と苦情を受けたことで、以降は自分のことをヨルと呼ばせています。

 本来は強力な悪魔なのですが、現在はある理由により大幅に弱体化。

 本記事ではヨル(戦争の悪魔)のプロフィールや能力、チェンソーマンとの因縁を中心に解説してまいります。

「チェンソーマン」ヨル(戦争の悪魔)のプロフィール

三鷹アサに憑りついた第二部のメインキャラクター

 ヨル(戦争の悪魔)とは第二部から新たに登場したメインキャラクター。

 人付き合いが苦手な女子高生・三鷹アサが正義の悪魔に殺された際、アサの生きたいという願いに応えて契約を結び、彼女の肉体を修復してその肉体に憑りついた悪魔です。

 アサと肉体を共有している状態ですが、肉体の主導権はヨル(戦争の悪魔)の側にあり、基本的にいつでも肉体を乗っ取ることが可能(アサが酷く恐怖している時は乗っ取れません)。

 しかし普段は人間社会に溶け込む為、アサに肉体の主導権を渡し、アサの脳が見る幻として作中に登場しています。

 ちなみにヨルというのは、アサから「戦争の悪魔なんて長くて言いにくい」と苦情が出たため自ら名乗るようになった呼称です。

 基本的に悪魔らしく横暴で傲慢ですが、某血の魔人と比べればはるかに常識的。

 意外とおバカでポンコツ、人間臭い性格をしています。

分類で言えば魔人に近い存在か?

 ヨル(戦争の悪魔)の悪魔本来の姿はヨタカのような不気味な鳥。

 しかしアサに憑りついて以降のヨルは「顔に傷があるアサ」の姿で登場します。

 これはアサの脳内映像でも、実際にヨルが肉体を乗っ取った状態でも同様です。

 肉体の主導権がアサにある状態では顔に傷はありませんから、これは魔人の特徴である「悪魔の特徴が頭の形状に出た状態」と同じ現象と考えられます。

 アサは死んでいないため、厳密にはヨルは魔人というわけではないのでしょうが(魔人とは人間の死体を悪魔が乗っ取った存在)、分類的にはそれに近い存在と言えそうです。


「チェンソーマン」ヨル(戦争の悪魔)の強さ(能力)

「自分のモノ」と認識した存在を武器に変える能力(田中脊髄剣)

 ヨル(戦争の悪魔)には「自分のモノ」と認識した存在を武器に変える能力があります。

 何を以って「自分のモノ」とするかはヨルの考え方一つで、作中では「自分に惚れた=自分のモノ」と判断していました。

 ただし、118話で自分に惚れていると認識していたデンジの武器化に失敗していたので、何でも武器化できるわけではないようです(水族館を100万円で勝手に「買った」と認識していたことを考えると、デンジが実際に惚れているかどうかは関係ないはず)。

 武器に変えた際の強さは、ヨルやその契約者(=アサ)が対象に抱く罪悪感に比例。

 ヨルやアサにとって大切な存在であればあるほど、強力な武器になります。

 ちなみに、作中で最初にこの能力が使用された対象は、爽やか系淫〇教師・田中先生(委員長に手を出すかたわら、密かにアサのことも狙っていた模様)。

 往年のギャグマンガ「ボボボーボ・ボーボボ」に登場した「田中ソード」のパロディ「田中脊髄剣」となって委員長が変身した悪魔を両断していました。

 更にこれより強力な武器が「制服強強剣」。

 アサが亡くなったお母さんに買ってもらった制服を武器化したものですが、アサが制服を非常に大切に思っていたため、正義の悪魔と契約したユウコを一太刀でバラバラにしていました。

 一方で、悪魔であるヨル本人は罪悪感をほとんど持たないためあまり強い武器は作れない模様。

 彼女がわざわざアサの肉体を乗っ取ったのには、アサの罪悪感を利用しようという意図もあったのかもしれません。

ある理由から大幅に弱体化している

 名前からして強力そうな悪魔である「戦争の悪魔」。

 本来であれば「支配の悪魔」と並ぶビッグネームなのですが、現在はコウモリの悪魔にも勝てないほど弱体化してしまっています。

 その理由は人々が「戦争」に対して抱く恐怖。

 悪魔の強さはその名前の存在がどれほど恐れられているかに左右されます。

 それは人々からその名が恐れられているほど強くなり、逆に怖がられなくなれば弱体化するということ。

 本来「戦争」とは人々に強烈に恐怖される対象ですが、チェンソーマン世界ではある理由により(後述)近年一度も戦争が起こっていません。

 その結果、戦争は映画やゲームの世界の出来事になり、戦争の恐怖は忘れられ、「戦争の悪魔」は見るも無惨なほどに弱体化してしまいました。

 そしてチェンソーマン世界で「戦争」の恐怖が人々から忘れられた原因こそが、かつてのチェンソーマンにあったのです。


「チェンソーマン」ヨル(戦争の悪魔)とチェンソーマン

 ヨル(戦争の悪魔)はチェンソーマンに強い恨みを持ち、彼を倒そうとしています。

 その理由は、かつて行われたヨル(戦争の悪魔)とチェンソーマンとの戦い。

 何度殺しても立ち上がってくる地獄のヒーロー・チェンソーマンに敗北したヨル(戦争の悪魔)は、チェンソーマンにその身体を食べられ、弱体化してしまいました。

 この世界では悪魔がチェンソーマンに食べられると、その名を冠する存在がこの世界から消滅し、忘れられてしまいます。

 ヨル(戦争の悪魔)の場合は肉体全てを食べられなかったため、戦争という概念そのものはこの世に残っていますが、限りなく発生しにくくなってしまったようです。

 ちなみに、この世界では「核兵器」や「ナチス」「第二次世界大戦」といった存在は、かつてチェンソーマンに食べられ、人々から忘れられています。

 この事実が当初マキマの口から語られた際は、それぞれの名を冠する悪魔が存在したのかと思われていましたが、ヨル(戦争の悪魔)の発言を踏まえれば、それらはチェンソーマンに食べられた「戦争の悪魔」の一部、と考えた方が可能性は高そうですね。

「チェンソーマン」ヨル(戦争の悪魔)と4人の騎士

 戦争の悪魔はヨハネの黙示録に記された四騎士をモチーフにしていると言われています。

 その根拠は、マキマがチェンソーマンに対して語ったこの言葉。

「覚えていますか?」
「彼らの中にいる武器の悪魔達と」
4人の騎士が貴方と戦い」
「その最中貴方は私達の前から」
「消えてしまった」

 黙示録の四騎士とは、それぞれ「支配(=勝利)」「戦争」「飢餓」「死」を象徴するとされる存在。

 そしてマキマ自身はその一つ「支配の悪魔」です。

 「戦争の悪魔」であるヨルもかつてチェンソーマンと戦ったと発言していることから、4人の騎士とはマキマとヨルを含む「支配」「戦争」「飢餓」「死」の悪魔を指していると考えられます。

 つまり少なくともあと2体、マキマと同格の悪魔が存在するということ(108話では飢餓の悪魔が登場しています)。

 ただ4人の騎士と一括りにされていますが、マキマとヨルたちは決して仲良しというわけではないらしく、マキマはヨルたち他の3人の騎士をチェンソーマンに食べさせ、この世から消滅させようと目論んでいました。

 今後、この4人の騎士、そして彼らとチェンソーマンの過去がどのように本編に関わってくるのか、要注目ですね。

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【まとめ】「チェンソーマン」キャラクター一覧



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