今回は荒川弘先生が少年ガンガンで連載中のダークファンタジー「黄泉のツガイ」から、作中で登場する「ツガイ」とは何なのかについて解説します。
ツガイとは二体一対のオカルト的存在。
見る者によって「幽霊」「妖怪」「化け物」「UMA」「異形」「対なる者」など様々な呼ばれ方をしています。
この作品の根幹にありながら何かと謎の多いツガイ。
本記事ではそんなツガイの概要と作中で登場した主なツガイを一覧形式て解説してまいります。
「黄泉のツガイ」ツガイとは?
ツガイとは作中で登場する二体一対のオカルト的存在の総称。
「幽霊」「妖怪」「化け物」「UMA」「異形」「対なる者」など見る者によって様々な呼ばれ方をしています。
その特徴はいくつかあり、まず大前提として必ず「二体一対」の存在であること。
またその姿は基本的に人の目や写真、電子機器には映らず、ツガイと契約したことのあるツガイ使いか、偶々ピントのあった人にしか見えません(稀に写真などにも写る)。
理由は不明ですが「主」となるツガイ使いと契約しなければ活動することができず、契約していない時は石像や人形など「本尊」の状態に戻ってしまいます。
その為、ほとんどのツガイは主であるツガイ使いに忠実で主を最優先で護ろうとしますが、中には主の言うことを全く聞かなかったり、相性が悪ければ主を殺すものさえ存在します。
能力や姿はツガイごとに全く異なり、本当になんてことのない弱いツガイから神様として崇められているようなレジェンド級の存在まで様々です。
「黄泉のツガイ」ツガイ一覧
左右様(右・左)
元々東村の守り神として祀られていた男女一対の鬼神で、名前は女性の方が「左様」、男性の方が「右様」。
元が岩なためとても頑丈でパワフル。
加えて「左様」はユルが手にする予定の「封」の力を、「右様」はアサが持つ「解」の力を相殺する能力を持っています。
本来は「解」と「封」の力を持つ者の暴走を止めるための存在でしたが、今代ではユルが契約してしまっています。
ガブリエル
ガブちゃんが契約する上顎と下顎のツガイ。
名前はそれぞれ「ジョー・ウィリアムフレデリック・ガブリエルⅠ世」と「カーク・ダグラス・ウオルドグレイヴ・ガブリエルⅡ世」。
普段は小さいですが、戦闘時は巨大化して敵を噛みちぎり、手榴弾の直撃にも耐えるなど強力なツガイです。
掃除屋(誠・愛)
掃除屋(スカベンジャー)と呼ばれるチョウチンアンコウ型のツガイ。
名前は大きな方が「愛ちゃん」で小さな方が「誠くん」。
愛ちゃんが呑み込んだ物を、誠くんが自在に吐き出すことができ、武器庫などとしても使われています。
また、触覚部分を人間などに擬態させて獲物をおびき寄せることが可能。
主は影森ジン。
陰陽(おはぎ・だいふく)
陰陽の図柄を持つ球体のツガイ。
名前は「おはぎ」と「だいふく」。
巨大化して内部の亜空間に敵を取り込むことができる。
主は羽村ケンイチだったが、解の力で契約を解かれ現在はアサが主となっている。
前虎後狼(虎鉄・二狼)
かわいい犬と猫のツガイ。
名前は犬の方が「二狼」で猫の方が「虎鉄」。
東村の番小者である段野家に代々受け継がれてきたツガイで、下界に馴染んでいるため電子機器も器用に使いこなす。
主は段野ハナ。
百鬼夜行
黒と白の人魂のような姿をしたツガイ。
ツガイには相性があり、本来ツガイ使いが複数のツガイと契約することは難しいが、百鬼夜行にはツガイ同士の仲を取り持つ能力があり、このツガイの主は制限なく大量のツガイと契約することができる。
なお、アサの「解」の力とのコンボは強力無比。
主は影森ゴンゾウ。
黒白(ホワイト・ベタ)
白と黒の小さな毛玉のようなツガイ。
名前は白い方が「ホワイト」で黒い方が「ベタ」。
ホワイトが物体の状態を白紙に戻し、ベタの方が状態を描きかえることで自在に物体を作り替えることが可能。
想像力次第で何でもできるツガイ。
主は影森ヒカル。
金鳥玉兎(朝霧・夜桜)
蝶と蛾の群体のツガイ。
名前は蝶の群体で真っ白な女性の姿をした「朝霧」と蛾の群体で髑髏の頭部を持つ「夜桜」。
気配を消しての隠密行動が得意で、身体の一部を切り離して偵察することもできる。
朝霧は夜が苦手で夜桜は昼が苦手で、時間帯によりどちらか一方しか活動できない。
主は影森アスマ。
兎と亀
兎と亀のツガイで、名前はまんま「ウサちゃん」と「カメちゃん」。
ウサちゃんは超高速の格闘戦で敵を翻弄し、カメちゃんは重力を操り敵を押し潰すことが可能。
キュートで弱そうな見た目だが、左右様を封殺したほどの実力者。
主は黒谷ハルオ。
ヤマノカミ(山風・谷風)
白と黒の一つ目で巨大な体躯と蹄を持つツガイ。
白い方が「山風」で黒い方が「谷風」。
特殊な能力はなく、とにかく圧倒的な巨体とパワーで押し潰すタイプだがガブちゃんとは相性が最悪。
西ノ村陣営の粘菌のツガイにより破壊されてしまう。
主は黒谷アキオ。
なもみはぎ(ジジ丸・ババ丸)
なまはげに似た姿のツガイ(というか「なもみはぎ」が「なまはげ」の語源)。
名前は「ジジ丸」と「ババ丸」。
かなりのパワータイプで、ガブリエルを軽く吹き飛ばしていた。
主は黒谷ナツキ。
閻魔帳(エンブレイス・ウィスパー)
三本指の腕「エンブレイス」と顔のついた帳面の「ウィスパー」からなるツガイ。
戦闘タイプではなく、エンブレイスがツガイに触れることでツガイの歴代主の情報を抜きとることができ、それがウィスパーの帳面に自動で記載される。
ある意味で敵対する陣営が最も警戒するツガイ。
主は黒谷フユキ。
狐狸変化(赤井さん・みどりさん)
キツネとタヌキの姿をしたツガイ。
名前はキツネが「赤井さん」でタヌキが「みどりさん」。
赤井さんが変身能力、みどりさんがきゃん玉を広げて対象を包み込む能力を持ち、人攫いを得意としている。
主は立川マコト。
ザシキワラシ
可愛らしい男児と女児の姿をしたザシキワラシのツガイ。
名前は男児が「ダンジ」で女児が「キリ」。
人間に変身し、影を自在に操る能力を持つ。
主はキョウカ。
オシラサマ
首に傷跡のある馬とそれにのる女性の姿をしたツガイ「オシラサマ」。
神様として祀られるレジェンド級のツガイで左右様の昔馴染み。
凄いツガイだと言われてはいるが、具体的な能力は今のところ不明。
手長足長
伸縮自在の手足を持つ人型のツガイ。
人を食う凶悪なツガイで1200年前に当時の「封」の使い手と旅の坊主(空海?)、左右様に磐梯山に封印されていた。
田寺ケンによって封印を解かれるが、ユルたちによって討伐される。
???(宇宙人?)
グレイタイプの宇宙人の姿をしたツガイ。
名前は人間には発音できないタイプ。
本尊のまま忘れ去られ朽ち果てようとしていたところ、偶然野良犬のパグの血を浴び、このパグを主として復活する。
弱いが気の良いツガイで主を溺愛。
普段は服やマスクを着込んで人間の振りをしている。
風神雷神(風神・雷神)
黒白の獣のような姿をしたツガイ。
名前の通りそれぞれ風と雷を操ることができる。
与謝野イワンに本尊ごと破壊された。
主は新郷ハヤト。
災神(さいじん)
仮面をつけた巨体のツガイ。
名前は「雫」と「篝」で、雫は水を、篝は火を自在に操ることができる。
主は東村関係者の「社長」。
マガツヒ(大凶・小凶)
刀の姿をしたツガイ。
名前は大刀の方が「大凶」で脇差の方が「小凶」。
自力では動けないが凄まじい切れ味をほこり、斬った空間を入れ換える能力と斬った対象の精気を主に移す「精気移転」の能力を持つ。
強力だが「精気移転」の能力は主の身体にかかる負担が大きい。
主は与謝野イワン。
サドマゾ
黒っぽい不思議な姿をした怪物「ドM」と、一見可愛らしい姿をした「ドS」からなる番。
ドMが受けたダメージを吸収し、ドSがコピーして放つ能力を持つカウンター型のツガイ。
ドSが攻撃されるととても弱い。
主は醍醐。
解と封
死後の世界と現世の境目、黄泉平坂に住まう一つ目の布で顔を隠した人型のツガイ。
今のところ「解」しか登場しておらず、ユルとアサ「昼と夜を別つ運命の双子」が死ぬと黄泉平坂で彼らと会い、契約して生き返ることができる。
解は万物を解放し、封は万物を封じる力を持つとされているが、その正体は謎に包まれている。
コメント