今回は言わずと知れた大人気漫画、「呪術廻戦」から、物語の今後を大きく左右する能力を持つ男「伏黒 恵(ふしぐろ めぐみ)」について考察していきたいと思います。
伏黒は主人公の虎杖とともに連載第1回から登場し、連載開始前の初期構想では虎杖とW主人公となることが検討されていた重要人物。
しかし作中で重要人物であることは示されているものの、その詳しい理由はまだ明かされておらず、実力も飛びぬけて凄いわけではありません。
今回は伏黒の潜在能力、伸びしろを中心に、彼の今後の展開、可能性について語っていきたいと思います。
「呪術廻戦」伏黒恵のプロフィール
基本プロフィール(誕生日、声優含む)
誕生日 | 12月22日 |
出身地 | 埼玉 |
所属 | 東京都立呪術高等専門学校1年 |
趣味・特技 | 読書 |
好きな食べ物 | 生姜に合う物 |
苦手な食べ物 | パプリカ(甘いおかず全般) |
ストレス | 人間(9割) |
声優 | 内田雄馬 |
呪術師御三家の一つ、禪院家の血を引くエリートで、五条悟の庇護を受けた才能あふれる呪術師、それが伏黒恵の肩書です。
実際、高専入学時点で二級術師となっているのですから、一般的な基準で言えば間違いなく優秀と言えるでしょう(物語的に一般的な基準が通用しないことはさておき)。
外見はツンツン頭と鋭い目つきが特徴的な不愛想な雰囲気の少年ですが、性格は非常に生真面目て冷静。他人に冷たいように見えて自分の良心には忠実で、善人に対してはとても弱く人情味ある一面を見せてくれます。
基本的にふざけた人間が多い本作の中で、恐らく最も常識的でまともな人間の一人、そしてヒロイン力の高い人間と言えるでしょう。
ネット上では伏黒こそ真のヒロインと呼ばれることもありますが、その理由は概ね3つ。
①宿儺に狙われ、五条たちに守られているという立ち位置
②虎杖と互いを想い合う関係性(ノンケです)
③女どもが男前過ぎて他にいない
……まあ、色々理屈はつけられますが、結局③でしょうね。
ちなみに好きな女性のタイプは「揺るがない人間性がある人(まんま自分の義理の姉)」らしいですが、それを聞いた東堂には、直後につまらない男だと半殺しにされています。
男同士で女の好みを聞かれて、そんなおためごかしを答えるなど論外。これについては東堂に圧倒的に理がありますので、半殺しもやむなしですね(断言)。
むっつりである伏黒にはやや荷が重い質問だったのかもしれません。
その強さ、術式「十種影法術(とぐさのかげほうじゅつ)」
さて、呪術師としての伏黒は禪院家相伝の術式の一つを受け継いでおり、影を使った式神を駆使することができます。
術式:十種影法術
予め調伏した十種の様々な能力を持つ式神を影を媒介に召喚する術式。
全十種類の式神が存在するが、最初に与えられる式神は玉犬(白・黒)のみで、それ以外は術者が調伏の儀式を行い調伏させる必要がある。
一度完全に破壊された式神は復活しないが、その能力は他の式神に受け継がれる。
現時点で玉犬(白・黒・渾)、鵺、大蛇、蝦蟇、脱兎、満象の6種を調伏している。
実に『術者』っぽい能力ですよね。
戦闘だけでなく索敵なども可能で、非常に使い勝手の良い術式と言えるでしょう。
ちなみに、この十種類の式神の中には、誰一人調伏に成功した者のいない強力な式神がいるのですが……
また、伏黒は未完成ではありますが、呪術師の奥義・領域展開を使用することができます。
その名も「嵌合暗翳庭(かんごうあんえいてい)」。
領域展開とは術者の術式を外界に展開する、いわゆる必殺技で、伏黒のそれは影の沼を生み出し式神や自分の分身を作ったり、影を使った高速移動が可能となるようです。
とは言え、まだまだ未完成の技。今後さらにできることは増えてくるでしょう。
個人的には、伏黒は式神よりも影の使い方をもっと工夫すべきだと思っています(理由は後述の潜在能力で)。
なお、この「十種影法術」は非常に謎に満ちており、その詳しい術式内容や謎の考察については別途記事を用意しておりますので、興味のある方はこちら「十種影法術の考察記事」をご覧下さい。
「呪術廻戦」伏黒恵の関係者
実父、伏黒甚爾(ふしぐろとうじ)
御三家の一つ、禪院家に生まれた一切呪力を持たない異端児、それが伏黒(旧姓:禪院)甚爾です。
通常であれば呪力を持たない人間は呪霊を見ることも出来ませんが、甚爾は完全に呪力を絶つことでその感覚、身体能力が超人的なものとなり(『天与呪縛』によるフィジカルギフテッドの究極形)、五感で呪霊を認識することができ、呪力に対する耐性さえ獲得していました。
その実力は並の呪術師、呪霊を遥かに凌ぎ、本作最強キャラである五条悟を、まだ最強となる前の若かりし頃とはいえ、一度は倒したほど。
そんな甚爾と伏黒の関係は微妙で、甚爾はほとんど育児放棄しており、一見すると伏黒のことはほとんど気にしていない様子でした。
それどころか、実家の禪院家に伏黒を金で売り飛ばしており、親の愛情など無さそうに見えるのですが……最期の時、そして死してからも伏黒のことを気にかけていました。
また後に伏黒を禪院家の次期当主に据えるよう交渉していたことも明かされ、意外に父親らしい一面もあったようです(もっともそのせいで伏黒は禪院家のドロドロの争いに巻き込まれてしまうわけですが)。
義姉、伏黒津美紀(ふしぐろつみき)
父甚爾の再婚相手の連れ子、それが伏黒津美紀です。
津美紀はドが付くほどの善人で、伏黒の価値観の根幹をなす人物。津美紀のような善人には幸せになって欲しいと願う良心こそが、伏黒の行動理念となっています。
そんな津美紀ですが、中学三年生の時に突如原因不明の呪いに遭遇し、寝たきりの状態になっています。
いえ、なっていました。
渋谷事変ではその原因が判明し、同様に寝たきりになっていた者たちと共に津美紀は目を覚ましています。
渋谷事変後の世界ではなんと津美紀が『死滅回游』なるデスゲームに巻き込まい、伏黒はそれを救うために動いていたのですが、実はその時既に津美紀は……
(詳しくは伏黒津美紀の考察記事で)
「呪術廻戦」伏黒恵の潜在能力と宿儺(受肉)
宿儺に認められ、狙われる理由
さて、伏黒は作中で優秀ではあっても、まだまだ一線級の実力を持っているとまでは言えません。
しかし、そんな伏黒の能力が物語の行方を左右すると言える理由、それは呪いの王、両面宿儺が伏黒の能力に興味を持っているからです。
宿儺は傲岸不遜、唯我独尊を絵に描いたような性格で、五条悟と並ぶ作中最強キャラの一人。現在は主人公の虎杖の身体に封じられていますが、自身の復活よりも我を優先するような人物(?)です。
そんな宿儺が、伏黒と戦ってから(宿儺にとってはお遊びのようなものだったでしょうが)伏黒に強い興味を持ち、時に手助けさえしています。
伏黒には、宿儺が興味を抱くほどの何かが秘められているということでしょうか?
伏黒の潜在能力
伏黒の術式の切り札と言えば、未だ誰も調伏したことのない式神「八握剣 異戒神将 魔虚羅(やつかのつるぎ いかいしんしょう まこら)」です。
魔虚羅は過去に五条悟と同じ能力を持っていた五条家の当主と相打ったとされる式神で、その能力はあらゆる事象に適応し、瞬時に回復、対応してしまうというもの。
一度出した技は二度と通用しないらしく、宿儺からは究極の後だし虫拳(ジャンケン)と呼称されていました。
伏黒は、魔虚羅の調伏の儀式に無理やり他人を巻き込む自爆技を切り札としており、実際に作中でも渋谷事変でそれを行使しています。
しかし……確かに極めて強力な式神だったのですが、魔虚羅はまだ完全体とはいえない状態の宿儺にあっさりと破れ去ってしまいました。
果たして宿儺はその程度のものに興味を持ったのでしょうか?
何より宿儺が伏黒に興味を持ったのは伏黒が魔虚羅を使う前(使いそうな気配はありましたが)。少し違和感がありますよね。
【追記】
漫道コバヤシで宿儺が興味を持った理由は魔虚羅ではないと芥見先生より発言有り)。
実は伏黒の持つ「十種影法術」は彼が思っているよりずっと強力な術式でした。
伏黒はまだ未熟なためそれを使いこなせていませんでしたが、宿儺クラスの化け物が使えば式神が巨大化し、伏黒のそれとは隔絶した出力を発揮します。
宿儺が狙っていたのは、その術式の潜在能力でした。
宿儺によって肉体を奪われる(受肉)
212話で伏黒は宿儺に肉体を奪われてしまいます。
以前結んだ縛りにより、宿儺に1分間肉体の支配を奪われた虎杖(契闊(けいかつ)と唱えたら~)。
その隙に宿儺は虎杖の指を引きちぎり、自身の呪いを込めて伏黒に食べさせてしまいました。
虎杖が目を覚ました時、目の前にいたのは伏黒の肉体に受肉した宿儺。
実は伏黒の肉体には宿儺の呪いに対する耐性があり、そのことを宿儺は以前から見抜いていたのです。
以前から伏黒の肉体を乗っ取るチャンスはありましたが、このタイミングだったのは万が一にも伏黒に肉体の主導権を奪われないよう、指を回収して力を蓄えていたため。
指が後5本残っているのに実行に移したのは、天使の登場によって宿儺が消滅させられるリスクが発生したからです。
何とか宿儺に抵抗していた伏黒ですが、しかし宿儺に姉の津美紀を殺されたことで心を折られ、現在は精神世界の奥深くへと沈んでいっています。
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