今回は言わずと知れた大人気漫画「呪術廻戦」から、羂索が仕掛けたデスゲーム「死滅回遊(しめつかいゆう」について解説していきます。
死滅回遊とは結界内に閉じ込められた呪術師同士の殺し合い。
結界内の呪術師たちの呪力を利用して、日本中の人間を人ならざるものへ変えるための儀式、その前段階とされています。
しかしそのルールや目的は非常に複雑怪奇で意味不明。
本記事では死滅回遊の概要とルールを改めて整理するとともに、この儀式の謎について考察していきたいと思います。
「呪術廻戦」死滅回遊とは?
死滅回遊とは物語の黒幕・羂索が渋谷事変直後に仕掛けた呪術師たちのデスゲームです。
羂索は日本各地に10箇所の結界(コロニー)を設定。
そこに合計1000名の泳者(プレイヤー)解き放ちました。
この1000名は羂索によって呪術を与えられた現代の人間、あるいは受肉した過去の呪術師たち。
彼らは死滅回遊で設定されたルールに従い、強制的に殺し合いを始めることになります。
死滅回遊内には伏黒恵の姉・津美紀のように羂索にマーキングされ、強制的に儀式に参加させられてしまった者や、儀式に巻き込まれてしまった一般人も存在します。
また、詳しい真偽は不明ですが、死滅回遊は天元を利用して日本中の人間を呪術師に変える企みの前段階なのだとか(詳細は後述)。
虎杖や乙骨たちは、巻き込まれた者たちを救済し、羂索の企みを食い止めるため、自ら死滅回遊に参加していくことになります。
「呪術廻戦」死滅回遊の名前の由来(死滅回遊魚)
死滅回遊の名前の由来は「死滅回遊魚」だと言われています。
死滅回遊魚とは「回遊してきたけど定着できず死滅してしまう魚」のこと。
通常は暖かい海に住んでいる魚が、暖流に乗って水温の低い海域に漂着してしまうことを指します。
そうした魚たちは暖流に乗ってきた直後はその海域でも問題なく生存できますが、冬が来ると低い水温に対応できず死滅してしまいます。
何となく、アニメ第1期のOPに出てきたカラフルな魚を思い出しますね。
死滅回遊がこの「死滅回遊魚」に由来しているのだとすれば、死滅回遊に取り込まれた泳者たちは、新しい環境に適応できず死んでしまう運命とも読み取れます。
それも羂索の計画の内なのか、あるいはその逆境を超えて生き延びる者をこそ望んでいるということなのか……
「呪術廻戦」死滅回遊のルール
初期ルールは8つ
それでは「複雑」「意味不明」と言われる死滅回遊のルールについて解説していきます。
当初から定められていたルールは次の8つ。
1 | 泳者(プレイヤー)は術式覚醒後、十九日以内に任意の結界(コロニー)にて死滅回游への参加を宣誓しなければならない。 |
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2 | 前項に違反した泳者からは術式を剥奪する。 |
3 | 非泳者は結界に侵入した時点で泳者となり、死滅回游への参加を宣誓したものと見做す。 |
4 | 泳者は他泳者の生命を絶つことで点(ポイント)を得る。 |
5 | 点とは管理者(ゲームマスター)によって泳者の生命に懸けられた価値を指し、原則術師5点、非術師1点とする。 |
6 | 泳者は自身に懸けられた点を除いた100得点(ポイント)を消費することで管理者と交渉し、死滅回游に総則を1つ追加できる。 |
7 | 管理者は死滅回游の永続に著しく障る場合を除き、前項によるルール追加を認めなければならない。 |
8 | 参加または点取得後、十九日以内に得点の変動が見られない場合、その泳者からは術式を剥奪する。 |
ルール2、8にあるように術式が剥奪された場合、その泳者は死亡すると考えられています。
そしてそれを防ぐためには他の泳者の命を奪って点を獲得する他なく、泳者たちは結界内の泳者が死滅するまで殺し合いを強いられることに。
例外的に、術式を持たない者はノーリスクで死滅回遊に参加できるようです。
また、ルールには記載されていませんが、泳者となった者には全員「コガネ」と呼ばれる式神が付き、ルール5にある「管理者」との窓口としての役割を果たします。
ちなみに「管理者」は羂索ではなく(大規模な儀式を成立させるため、羂索自身も管理者にはなれなかった)、死滅回遊のプログラムそのものを指すそうです。
追加ルール(死滅回遊平定のために必要なルールは?)
泳者はルール6に則り、100得点を消費することで新たなルールを追加することができます。
最初に追加されたのは、泳者・鹿紫雲一によるもの。
9 | 泳者は他泳者の情報(名前、得点、ルール追加回数、滞留結界)を参照できる。 |
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これは、鹿紫雲がターゲットとなる宿儺を探し出すために追加したルールですね。
そして虎杖たちも新たにルールを追加することで、死滅回遊を平定しようと考えています。
10 | 泳者は他泳者に任意の得点を譲渡することができる。 |
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これは泳者の一人・日車が虎杖に協力して追加したルール。
泳者間でポイントを譲渡し合っていれば術式の剥奪は防げますから、殺し合いを強いられることはなくなったわけです。
この他にも虎杖たちは3つのルールを追加しようと考えていました。
連絡手段の確立(結界の電話遮断解除)。 |
結界の出入りを可能とする。 |
身代わりを立てての死滅回遊からの離脱。 |
ヤバい泳者が結界外に自由に出てしまったらまずいので、その前に連絡手段を確立しようという方針だったようですが、呪力を完全に失い結界を自由に出入りできる真希と、長距離転移が可能な憂憂の協力により、連絡手段の確立は後回しに。
11 | コロニー外から身代わりを連れてきて100点を消費すれば死滅回遊から離脱できる。 |
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離脱に関するルール追加は想定通りにはいかず、コガネの提案でかなり厳しい内容となりました。
そして津美紀に100点を渡して彼女を死滅回遊から離脱させようとしたところ、何故か彼女は豹変し、新たなルールを追加してしまいます。
12 | 結界の出入りを自由にする。 |
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貯めていたポイントもかなり減ってしまいましたね……
「呪術廻戦」死滅回遊の主要なプレイヤーと参加コロニー
死滅回遊では(北海道を除く)日本各地に10箇所の結界(コロニー)が設定されており、それぞれに泳者(プレイヤー)が参加しています。
これまでに判明している結界と、主要な泳者は次の通り。
東京第1結界
<高専組>
100点を持つ日車の得点を狙って東京第1結界に参加しました。
<現代の術師>
日車寛見
元弁護士で、短期間で1級術師相当の実力を獲得した。
髙羽史彦
売れない芸人で、術式とメンタルだけは凄い。
<受肉した術師>
レジィ・スター
羂索の企みに気づき、それに備えていた。
黄櫨折(ハゼノキイオリ)
レジィの仲間で肉体を爆弾に変える。
来栖華(天使)
五条悟の封印を解く術式を持つ謎の女。
東京第2結界
<高専組>
秤が鹿紫雲からポイントを分捕る目的で参戦。
先にパンダが鹿紫雲と遭遇するというハプニングは有りましたが、鹿紫雲を仲間に引き入れることに成功しています。
西宮は連絡役として参加した形ですね。
<現代の術師>
シャルル・ベルナール
面白くなくてウザイ漫画家。
<受肉した術師>
鹿紫雲一
宿儺との戦いを望む強者。
仙台結界
<高専組>
乙骨が無双したコロニー。
三輪が何をしているのかは不明です。
<受肉した術師>
ドルゥヴ・ラクダワラ
かつて列島制圧を成し遂げた大物だが乙骨に瞬殺された。
石流龍
泳者一の大砲。乙骨と分かり合った。
→宿儺に殺される。
烏鷺亨子
元暗殺部隊。乙骨に煽られた。
<呪霊>
黒沐死
ゴキブリの特級呪霊。乙骨のキスで祓われた。
桜島結界
<高専組>
禪院家をぶっ潰した真希と、加茂家を羂索に乗っ取られた憲紀。
相性が良いんだか悪いんだか。
<受肉した術師>
大道鋼
名もなき剣豪の受肉体で呪力を持たない。
三代六十四
河童。相撲をとるためだけに領域展開まで使う。
<呪霊>
直哉
論外の男。呪霊化しパワーアップして再登場。
→やはりその後祓われる。
「呪術廻戦」死滅回遊の目的と謎
日本中の人間と天元を同化させるための「慣らし」
作中において死滅回遊の最終的な目的は、日本中の人間を天元と同化させることだと天元自身の口から語られています。
天元は1000年以上を生きる不死の術師で、現在は人を超えたより高次の存在へと進化済。
羂索はそんな天元操って人間と同化させ、日本国民を強制的に次のステップへと進化させようとしているわけですが、このまますぐに同化させても、それは高確率で不完全なものとなってしまうそうです。
死滅回遊はこの同化を完全なものとするための儀式。
死滅回遊の泳者の呪力と結界を利用し、この国の人間を彼岸に渡すための”慣らし”を行おうとしている、と天元は説明しています。
天元が語った目的はサブプラン?
しかし天元が語った羂索のプランには作中で異論が出ています。
異論を発したのは泳者の一人、レジィ・スター。
もし死滅回遊の目的が泳者の呪力を利用することにあるのなら、ダラダラと長く戦い続けて欲しいはず。
しかし「泳者の数」「泳者の実力差」「結界のルール」を考えると、早い段階で弱者が間引かれ、死滅回遊は膠着状態に陥ってしまう。
恐らく天元が語ったプランはサブプランで、強者だけが残った回遊に羂索が爆弾を落とし、死滅回遊は役割を終える、と。
羂索が世界各国の首脳と接触
レジィの推測通り、羂索は死滅回遊に保険をかけていました。
死滅回遊の裏で密かにアメリカや中国など、世界各国の首脳と接触していた羂索。
彼は首脳たちに呪力の存在を明かし、死滅回遊内に集まる呪術師という新たな資源を手に入れるよう唆します。
その結果、各国から呪術師を捕獲しようと軍隊が結界内に送り込まれることに。
しかし非術師の軍隊では一流の呪術師を捕獲することは叶わず、それどころか結界内に集まった大量の呪霊によって軍隊は虐殺されていきます。
羂索の目的は彼らが死ぬ際に放つ呪力。
結界内を大量の死と呪力で満たすことで、死滅回遊を一気に進めようと保険をかけていたのです。
つまり、泳者たちは軍隊をおびき寄せるためのエサでもあったわけですね。
羂索が天元と日本人の同化を始めなかった理由
海外の軍をおびき寄せ、その死によって結界内を呪力で満たすという目的を達した羂索。
しかし彼はすぐに天元と日本人の同化を始めようとはしませんでした。
これは、死滅回遊には「永続性」という縛りがあるため、この死滅回遊を終わらせない限り同化を実行できないからでした。
何でそんな縛りを、と思いますが、この縛りがなければ死滅回遊のような理不尽なゲームを成立させることができなかったようです。
死滅回遊の終幕
羂索は死滅回遊を終わらせるため、二つのルールを強引にコガネに認めさせました。
13 | 新規プレイヤーの参加を打ち切る。 |
14 | 夏油傑(=羂索)と伏黒恵(=宿儺)を除く全プレイヤーの死をもって死滅回遊を終了する。 |
どちらも「永続性」に反する内容なので、一度はコガネも却下しますが、羂索には天元の浄界(呪霊抑制のための特殊な結界)を破壊して死滅回遊を強制終了させるという裏技をちらつかせます。
ただ実際に強制終了させてしまうと「慣らし」のための境界も消えてしまうため、これはあくまで脅し。
強制終了されるぐらいならとコガネは持続可能な選択、すなわち羂索の要求を呑んでルールを追加しました。
もう完全に宿儺を利用して死滅回遊を終わらせる流れが出来てしまいましたね。
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