今回は魔物食という異色のテーマを扱う人気作「ダンジョン飯」から、本作のマスコットモンスター「歩き茸(あるききのこ)」について解説します。
歩き茸とはその名の通り二足歩行の歩く茸の魔物。
どんな迷宮にも必ずと言っていいほど生息しているポピュラーな魔物で、ライオスたちが最初に魔物食を実践した魔物でもあります。
「ダンジョン飯」の世界では「歩き茸同好会」なる集団も存在し、竜と並ぶほどの人気を誇る歩き茸。
本記事ではそんなアイコニックな魔物の生態や作中での立ち位置などを中心に解説してまいります。
「ダンジョン飯」歩き茸とは?
歩き茸の生態(基本情報)
歩き茸とは足のような部位を持ち自走する茸の魔物の総称です。
どんな迷宮にも必ずと言っていいほど生息しているポピュラーな魔物で、一般的なサイズは50~80cmほど。
マルシルの殴打一発で倒せてしまうほど弱いですが、新米冒険者にとってはそこそこの脅威。
迷宮における入門的魔物とされています。
大歩き茸やチェンジリングの歩き茸も
歩き茸には様々な種類が存在し、また環境の影響を受けて変異しやすいという特徴があります。
大量の魔力が存在する環境では巨大化し、体長2m以上ある大歩き茸に変異することも。
このサイズにまで成長すると歩き茸とは言え決して侮れる存在ではなく(そこそこの実力者からすると雑魚ですが)、大量に吐き出された胞子を吸い込むと意識の混濁を引き起こすこともあります。
また、同じ菌類で茸の輪に入ったものを近縁種に変化させる「チェンジリング」が変異し、大歩き茸化したこともありました。
「ダンジョン飯」歩き茸と水炊き(料理)
歩き茸と言えば第1話でライオスたちが最初に食べた魔物です。
料理名は「大サソリと歩き茸の水炊き」。
初めての魔物の調理に四苦八苦するライオスを見かね、センシが調理を手伝ってくれました。
料理名には名前が入っていませんが、センシの好意で高級食材(?)である干しスライムも投入されて非常に美味。
ちなみに歩き茸を調理する際は尻と表面3センチメートル分は捨てるのが基本。ただし足の部分は独特ないい香りがしてうまいので、全て使用するのだそうです。
「ダンジョン飯」歩き茸とダンジョン
歩き茸はスライムと並び、迷宮(ダンジョン)には必ずと言っていいほど存在する魔物です。
基本的に迷宮はそれぞれ迷宮の主が構造や生息する魔物を決めているのですが、何故かどの迷宮も似たり寄ったりの構造と魔物がチラホラ。
その理由は迷宮の生態を維持しつつ、最低限の手間で防衛機構を整えようと思えば、魔術を駆使して魔法生物に守らせるより、適当に歩き茸やスライムをばら撒いた方が楽なため。
実際メリニの迷宮でも当初、狂乱の魔術師シスルは入口に「最強の魔物(全てを終焉らせる者)」を呼び出して守らせようとしましたが、30分ごとにクジラ3頭分の精神力を食わせないと餓死するという面倒くささ(魔力は無限にあるが、それを一々引き出して与えるのが手間)に断念。
色んな魔物を試した結果、結局カッコいい魔物は諦め適当に歩き茸やスライムをばら撒くことにしたそうです。
また環境の影響を受けやすい歩き茸は、カナリア隊に迷宮の成長度合いを示す指標としても使われています。
巨大化した大歩き茸が迷宮を歩き回るようになると五段階で一番危険な状態で、魔物が地上に溢れ出す寸前。
迷宮制圧のためカナリア隊が送り込まれてくることになります。
「ダンジョン飯」歩き茸と歩き茸同好会
歩き茸同好会とは?
ライオスのように魔物を愛する者は実はこの世界では意外に多く、その中でも歩き茸は竜と並んで愛好家が多い魔物。
その情報収集・共有を目的とした「歩き茸同好会」なるものも存在しています。
特に大歩き茸は愛好家の間でも人気が高く、出現するとカナリア隊よりも早く愛好家が現場に見物に訪れているのだとか。
エルフの情報網も真の愛好家の執念には敵わないということですね。
歩き茸を追って(マタンゴ)
歩き茸愛好家の生態をよく表すエピソードと言えば、迷宮から発見されたある歩き茸を愛する冒険者の手記。
タイトルは「歩き茸を追って~ある男の365日~」。
内容は毎日歩き茸だけを食べ歩き、種類や生態を詳細に記した日記ですが、最後は妙な茸を食べて当人が「マタンゴ」化したところで終わっています。
この手記はライオスも愛読しており、つまり彼はこのオチを知った上で歩き茸を食べようと言い出したということで……
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