ゴブリンスレイヤー外伝「イヤーワン」「ダイ・カタナ」「ブランニュー・デイ」3つの外伝作品の違いと特徴~

 今回はメディア展開が進む大人気ダークファンタジー「ゴブリンスレイヤー」から、3つの外伝作品の違いについて解説していきたいと思います。

 「ゴブリンスレイヤー」とは最弱のモンスターと呼ばれるゴブリンの殲滅だけを行動原理とし、それに全てを捧げる熟練変人冒険者の物語。

 元は小説ですが漫画化もされ、本編だけでなく既に幾つもの外伝作品が登場しています。

 本記事では3つある(2022年12月から4つ目が連載中)外伝作品それぞれの特徴と違いについて解説してまいります。

 なお、ゴブリンスレイヤー(主人公)と物語の舞台となる四方世界の紹介記事もありますので、興味のある方はこちらも読んでやってください。

「ゴブリンスレイヤー外伝:イヤーワン」

新人冒険者ゴブリンスレイヤーの成長譚

 「ゴブリンスレイヤー外伝:イヤーワン」は本編開始5年前、新人冒険者として活動を始めた若き日のゴブリンスレイヤー(主人公)を描いた物語です。

 本編開始時は在野最高位の銀等級冒険者(10段階で上から3番目)だったゴブリンスレイヤー。

 そんな彼の未熟だった新人時代を描いたのがこの「イヤーワン」です。

 ゴブリン殲滅の意思だけはこの頃から健在だったものの、まだまだ行動が迂闊でミスの目立つゴブリンスレイヤー。

 そして後に辺境最強と呼ばれる槍使いや、辺境最高の一党を率いる重戦士らもこの頃はまだ新人で危ういところだらけ。

 本編のダークファンタジーテイストはそのままに、若き冒険者たちの未熟でハラハラするような冒険が綴られていきます。

主人公のおかしな行動の由来が判明

 「ゴブリンスレイヤー外伝:イヤーワン」の見どころは、ゴブリンスレイヤー(主人公)が成長していく過程です。

 本編では完全なゴブリン殲滅マシーンだったゴブリンスレイヤーも、この頃はまだ技術も知識も伴わない若者。

 そんな彼が失敗を重ねながら少しずつゴブリン退治のノウハウを学んでいくことになります。

 例えば、本編でゴブリンスレイヤーが臭い消しのために殺したゴブリンの内臓を女神官妖精弓手にぶちまけるアレ。

 これはゴブリンスレイヤーが思いついたことではなく、外伝で彼と行動を共にした孤電の術士(アークメイジ)が実行したことだったりします。

 こうして若者はあの”へんなの”へとなってしまったのか、と本編を読んだ方なら思わず笑ってしまうこと間違いなしの内容ですね。


「ゴブリンスレイヤー外伝2:鍔鳴の太刀《ダイ・カタナ》」

剣の乙女たち「六人の英雄(オールスターズ)」の物語

 「ゴブリンスレイヤー外伝2:鍔鳴の太刀《ダイ・カタナ》」の主人公はゴブリンスレイヤーではありません。

 主人公はゴブリンスレイヤーが住む「四方世界」において、後に英雄として語られる「六人の英雄(オールスターズ)」。

 本編開始10年前「死の迷宮」に挑み、魔神王を倒した剣の乙女たち金等級冒険者一党の成長と活躍を描いた物語です。

 「六人の英雄」のメンバーは湾刀使いの頭目(主人公)、従姉の女魔術師、槍使いの女戦士、半森人の斥候、蟲人の僧侶、女司教(後の剣の乙女)。

 平たく言うなら本編「ロードス島戦記」に対する外伝「ロードス島伝説」(今の若い子には分かんないか)。

 闇の勢力との苛烈な戦乱の時代を描いたマジモンの英雄譚です。

本編とは基本的に別物

 「ゴブリンスレイヤー外伝2:鍔鳴の太刀《ダイ・カタナ》」は、ゴブリンスレイヤー本編とは「四方世界」という世界観を同一にするだけの別作品と考えた方が良いです。

 勿論、本編に登場する剣の乙女や若き日の国王(=金剛石の騎士)など、本編に登場するキャラクターも出てきますが、ゴブリンを殺すだけの本編とは物語の雰囲気がまるで別物。

 「死の迷宮」周辺のダークなエリアでひたすらヤバい連中相手に迷宮探索を進めていく、ウィザードリーとか古いD&D的な展開。

 絵の雰囲気とかもかなり独特ですから、「ゴブリンスレイヤー」本編のイメージをで読み始めるとかなり違和感が強いかと思います。

 読むのであれば、他のゴブリンスレイヤー関連作品を踏破した後がおススメですね。


「ゴブリンスレイヤー:ブランニュー・デイ」

脇役にスポットを当てた短編集

 本記事では「外伝の違いと特徴」について解説すると書いてきましたが、この「ゴブリンスレイヤー:ブランニュー・デイ」は厳密には外伝ではなく短編集。

 原作小説では第4巻にあたる部分を漫画化したもので、主に脇役たちにスポットを当てた内容となっています。

 女神官の同期の新人冒険者や酒場のウエイトレス、女たちの休日や男たち三人だけの冒険など、本編と比べてほのぼのした雰囲気の話が中心です(一部そうでないものもありますが)。

 絵もふんわりしていて可愛らしいので、「ゴブリンスレイヤー」をあまり詳しく知らない方でも楽しめる内容となっています。

 勿論、本編をしっかり読んだ方にとっても、キャラクターや世界観の解像度が上がって楽しめるのではないでしょうか。

短編集第二弾「デイ・イン・ザ・ライフ」

 2022年12月からは「月刊ビッグガンガン」で「ブランニュー・デイ」の続編とも言える新たな短編集「デイ・イン・ザ・ライフ」の連載が始まっています。

 作画は「ブランニュー・デイ」とは別の方ですが、原作の雰囲気に非常に合っていて期待が持てます。

 こちらは原作小説12巻部分を漫画化する予定だそうです。

 スタートを切ったのは、女神官の同期で「新米戦士・見習聖女」から「棍棒剣士・至高神の聖女」へと成長し、新たに白兎猟兵を仲間に加えた新米冒険者パーティ。

 彼らが出てくるとこれから若々しい冒険が始まるんだとワクワクしてきて、個人的には彼らだけの外伝を描いてほしい程大好きです。



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