今回はヤンマガ本誌で連載中の図書館お仕事コメディ「税金で買った本」から、いい加減な中間管理職「宇多野 夕吾(うたの ゆうご)」について解説します。
宇多野夕吾は主人公の石平くんたちが働く図書館の事務係長。
図書係長で仕事を抱え込みすぎな椎名さんとは対照的に、何かあればすぐに自分の仕事を周りに押し付けるタイプの中間管理職です。
作中ではそのいい加減さで小川さんや女性職員を度々怒らせているダメ上司。
本記事ではそんな宇多野事務係長のプロフィールや登場話(何話)を中心に解説してまいります。
目次
「税金で買った本」宇多野夕吾のプロフィール
引用元:ずいの Twitter
基本プロフィール
宇多野夕吾は主人公の石平くんたちが働く図書館の事務係長です。
外見は糸目が特徴のセンター分けの中年男性。
性格は口だけタイプで、決して悪い人間ではないものの、何かあればすぐに仕事を周囲に押し付けるいい加減なところがあります。
図書館の裏方をまとめる事務係長(正規職員)
宇多野事務係長は市の正規職員。
図書館専門の職員というわけではなく、定期的な人事異動に伴い図書館に配属されている市役所の公務員です。
図書館司書さんたちを取りまとめているのが椎名図書係長で、宇多野事務係長は図書館の裏で働く事務員さんたちを取りまとめています。
仕事内容は主に経費や備品の管理やシフト調整などの総務・人事関係全般。
すぐ仕事を周囲に押し付けるタイプなのであまり評判は良くはありませんが、本人もサボっているわけではなく、館長補佐から色々と仕事を押し付けられていて多忙な日々を過ごしています。
ただキツイと思ったらすぐに周りに仕事を投げるのが宇多野事務係長で、限界を超えて仕事を抱え込むのが椎名図書係長。
評判は椎名図書係長の方が圧倒的に良いですが、頑張り過ぎて倒れてしまったらアウトなので、このあたりは現実だと良し悪し判断が分かれるところですね。
「税金で買った本」宇多野夕吾の登場話(何話)
初登場は「できる人の電話マナー(126話)」
宇多野事務係長の初登場は126話の「できる人の電話マナー」。
このエピソードは宇多野事務係長の部下で事務員の小川さんメインのエピソードで、宇多野事務係長は小川さんに何でも仕事を押し付ける調子のいい上司として描かれていました。
小川さんは宇多野事務係長に内心ブチギレていましたが、まあどんな組織にもよくいるタイプの上司ですね。
「絵で見る年中行事(131、132話)」
続いて宇多野事務係長が再登場したのが131~132話「絵で見る年中行事」。
年末年始の飾りつけなどを担当する展示班の取りまとめをしていたのが宇多野事務係長でした。
宇多野事務係長は飾るのが大変なツリーと門松を紙の飾りに変えようという提案を受けて、これを了承。
館長や館長補佐にも稟議を回していたのですが、紙の稟議では話が伝わっておらず、急遽ツリーを飾らないといけなくなってしまいます。
展示班の早瀬丸さん、今村さん、朝野さん、不二さん、美上さんは残業して飾りつけをしますが、当の宇多野事務係長は他の仕事があって飾りつけには不参加。
展示班の女性たちが宇多野事務係長にブチギレていました。
「論理パズル365(139話)」
この話もメインは小川さんで、宇多野事務係長は小川さんに面倒な仕事を押し付ける役回り。
図書館職員の勤務シフトを決めるのも事務の役割なのですが、館長補佐に面倒な仕事を押し付けられた宇多野事務係長は、調整が大変なシフト作りを非正規の小川さんに押し付けていました。
シフト作りは人の数だけでなく質を均等にしたりとか、振休の調整や、仲の悪い人を固めないようにとかとにかく大変。
押し付けられた小川さんは宇多野事務係長へのヘイトを高めていました。
「税金で買った本」宇多野夕吾と小川さん
引用元:【公式】税金で買った本
宇多野事務係長は基本的に事務員の小川さんとセットで登場することが多いです。
正確に言うと、宇多野事務係長の方が小川さんのおまけ。
その主な役割は面倒事を小川さんに押し付けて小川さんをキレさせるというものです。
普通、ちょっと仕事を頼んだ程度では部下からの信頼は損なわれず、むしろ心理学的には信頼関係が構築されるものなのですが、宇多野事務係長は押し付け方が雑で酷いので小川さんはいつも内心ブチギレています。
「税金で買った本」宇多野夕吾は本当に駄目人間か?
作中ではいい加減な駄目上司として描かれている宇多野事務係長ですが、実際に彼はそこまで駄目な人間なのでしょうか?
まず周囲からは椎名図書係長の方が圧倒的に信頼されていますが、同時に椎名図書係長はいつ倒れてもおかしくないと周囲から心配されてもいます。
実際、倒れるのが一番周囲に迷惑をかけるので、無理せずすぐ周りに頼る宇多野事務係長のやり方自体は決して間違いではありません。
勿論、調整や頼み方が下手糞で周りに迷惑をかけている部分はありますが、これに関しては彼に少し同情する点も。
というのも、宇多野事務係長は元々他の部署からやってきた市の職員で、図書館業務に関してはほぼ素人。
図書館の仕事の要領も分からない中、図書館業務に精通した非正規職員を束ねなければならないのですから、ミスや調整不足がでてきたり、部下から頼りなく思われるのはある程度仕方ないことと言えます。
実際、現実の職場でもいきなり畑違いの部署の管理職をやらされて、宇多野事務係長みたいになっている人って多いんじゃないでしょうか?
そう考えると宇多野事務係長は駄目上司というより、リアリティのある等身大の上司なのではないかな、と。




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