今回は原作・赤坂アカ、作画・横槍メンゴの豪華タッグがヤングジャンプで連載中の人気作【推しの子】から、(作中で)5000万部を売り上げた人気漫画家「鮫島 アビ子(さめじま あびこ)」について解説します。
鮫島アビ子は第5章・2.5次元舞台編で登場した原作漫画「東京ブレイド」の作者。
かわいい見た目ながら漫画家らしい気難しい変人で、作中では作品への愛故に舞台脚本に全ボツを食らわすなど、物語を大いにかき回してくれました。
本来ちょい役にも関わらず、非常に濃いキャラに仕上がっていたアビ子先生。
本記事ではそんな彼女のプロフィールやモデルとなった漫画家の有無などを中心に解説してい参ります。
【推しの子】鮫島アビ子のプロフィール
鮫島アビ子は第5章・2.5次元舞台編で登場した人気漫画家。
星野アクア、有馬かな、黒川あかね、姫川大輝、鳴嶋メルトらが出演した2.5次元舞台「東京ブレイド」の原作者です。
年齢は22歳と若く、黒髪ショートの幼くかわいい雰囲気の女性。
挫折もなく連載を獲得し、そのまま大ヒットを飛ばしたセンス型の天才作家です。
性格は陰キャでコミュ障、漫画にステータスを全振りしてしまったオタク。
「ハブラシ二つ使えば二倍の速度で磨ける」とダブル歯磨きを考案するなど、かなり癖の強い女性です。
一方、漫画に関しては拘りが強くて多弁。
挫折なく売れてしまったがために、
「この世の創作物の9割は駄作」
「信じられるのは自分の才覚だけ」
と臆面もなく口にするなど、かなり傲慢な一面もあります。
ただそうした傲慢さも自分の作品を愛するが故。
「他者と解り合いたい」と願っていながら、それができずに苦しんでいる不器用な女性です。
声優は佐倉彩音さんが担当。
ちなみに【推しの子】は他の赤坂アカ作品と世界観を共有しており、鮫島アビ子先生は「恋愛代行」の舞台である私立青芝高校出身。
オタクの中でも更に爪弾きにされた第二漫研に在籍していたそうです。
【推しの子】鮫島アビ子と「東京ブレイド」
2.5次元舞台の原作となった「東京ブレイド」は鮫島アビ子先生が「週ジャン」で週刊連載中の大ヒット漫画。
登場時点で累計5000万部を売り上げ、アニメ化もされています。
内容は東京を舞台に幾つかのチームが抗争を繰り広げ、いつしか友情や愛情を深めていく王道バトル漫画。
「盟刀」と呼ばれ持ち主に様々な力をもたらす21本の刀をめぐる物語です。
全ての「盟刀」に認められた者には国家を手にするほどの力「國盗り」の力がもたらされるとされており、一振りの太刀を手にした主人公が最強の王を目指す、というのが物語の基本骨子。
2.5次元舞台では姫川大輝、有馬かな、鳴嶋メルトが主人公サイドである新宿クラスタ、星野アクア、黒川あかねらが対立する渋谷クラスタを演じていました。
【推しの子】鮫島アビ子にモデルはいる?
鮫島アビ子が登場した際、ファンの間では「モデルになった漫画家は誰だ?」と話題になりました。
漫画家か漫画家を描いているだけあってキャラクターにリアリティがあり、モデルがいるのではと思う人が多かったのでしょうね。
この疑問に対し、今のところ公式からこれと言った回答はありません。
原作者の赤坂アカ先生、作画担当の横槍メンゴ先生の実体験が反映されているのは間違いないでしょうが、正直鮫島アビ子は社交的なお二人とは正反対のキャラクター。
ファンの間でも「自分を5000万部の大ヒットを飛ばした漫画家のモデルにはしないだろ」との意見が大勢を占めています。
また作中では鮫島アビ子がメディアミックス展開で揉める様子が描かれていますが、赤坂先生自身は「かぐや様は告らせたい」の時は恵まれていたとインタビューで語っており、これも他の作家さんのエピソードを参考にしたようです。
恐らく鮫島アビ子に特定のモデルは存在せず、様々な漫画家のエピソードを合成して生み出されたキャラクターなのでしょう。
ちなみに累計5000万部というと「呪術廻戦」が15巻の時にそれぐらい。
「東京ブレイド」は作中2か月前の時点で163話(雑誌掲載時の表記は133話)まで連載されていましたから、売り上げ的には似通ってるんじゃないでしょうか(「呪術廻戦」は15巻で133話まで収録)。
……かといって芥見先生は絶対モデルじゃないですよ。
【推しの子】鮫島アビ子と師匠・吉祥寺頼子
鮫島アビ子は人気少女漫画「今日は甘口で(今日あま)」の作者・吉祥寺頼子先生の下でアシスタントをしていた経験があり、今でも吉祥寺先生を師匠と慕っています。
吉祥寺先生の「今日は甘口で」は「かぐや様は告らせたい」にも登場していた大ヒット作で、第2章・芸能界編では有馬かなと鳴嶋メルト主演でドラマ化もされていました。
吉祥寺先生は変人揃いの漫画家の中ではかなりの常識人。
弟子であった鮫島アビ子のことは今でもかわいがっていますが、売り上げでは完全に抜かれてしまい、最近はちょっとアビ子に遠慮気味です。
しかしコミックス5巻・33話「修羅場」では、孤立してアシスタントもなく一人きりで漫画を描くアビ子の元を訪れ、手伝いをしながら盛大に説教・口喧嘩を繰り広げていました。
(以下、一部抜粋)
「そういうの5000万部」
「売ってから言って貰えます!?」
「確かに私は」
「アンタほど売れてない」
「でも悪いけど」
「私の方が面白い漫画」
「描いてってから!」
「出た出た」
「読者に媚びた展開を」
「エンタメと勘違いした」
「自称プロフェッショナル!」
「最近の『東ブレ』が」
「まさにそれでしょうが!」
「売れっ子様が読者の意見で」
「ブレちゃいましたかぁ!」
互いに口にしたら速攻で縁を切られること間違いなしの罵詈雑言の嵐。
しかし吉祥寺先生はアビ子が誰より自分たちが生み出した作品を愛していることを知っているからこそ、それでも彼女を可愛がり続けています。
【推しの子】鮫島アビ子と2.5次元舞台
鮫島アビ子は原作者として実際に演技している様子を確認するため、稽古を積むアクアたちの前に現れました。
アクアたちの演技そのものにはご満悦だったアビ子。
しかし脚本に関してはその場で全部書き直すように指示し、現場を大混乱に陥れます。
責任者の雷田や脚本家のGOAは突然の要請に抵抗しますが、アビ子は脚本家にセンスがないから自分が脚本を描く、そうでなければ許諾を取り下げると強硬姿勢。
著作者人格権がある以上、アビ子が認めなければ舞台は絶対にできません。
これはアビ子の側、GOAたちの側、どちらの主張にも理のある話でした。
アビ子の主張は説明台詞がダラダラ付け加えられ、キャラクターの柱が変わってしまっているというもの。
しかし脚本家のGOAは舞台演出や尺などを考慮した上で、敢えてキャラクターに変更を加えていました。
「舞台」に限って言うならGOAたちの主張に理があり、舞台の素人であるアビ子が脚本を書いても良いものができるとは思えません。
一方、確かにGOAの脚本はキャラクターが原作と乖離していて、演者の黒川あかねも違和感を感じていたほど。
それを「原作サイドは『舞台』を分かっていない」「時間がない」と強引に押し切ろうとした雷田の対応にも問題はありました(GOAは巻き込まれた形ですね)。
力関係はアビ子が圧倒的に強く、このままではアビ子の意見が優先されてしまいます。
しかしアクアと吉祥寺先生の介入もあり、GOAが脚本を書いた最新の舞台を観劇したアビ子は感動。
改めてアビ子は雷田と話し合い、妥協案としてGOAとリアルタイムで脚本を修正していくことになります。
GOAの舞台を見て彼の仕事にリスペクトを抱いていたアビ子は、話し合いの中でGOAと想定以上に意気投合。
GOAも面白くなって好き勝手修正した結果、説明台詞がゴリゴリに削られ、役者の演技に全てを丸投げしたとんでもないキラーパス台本が出来上がってしまったのです。
結果、アクアたち役者はとんでもなく苦労させられることになりますが……とりあえずアビ子とGOAはご満悦でした。
【推しの子】鮫島アビ子はここがかわいい!
鮫島アビ子は【推しの子】でも人気の高いキャラクターです。
まずその見た目が幼げな感じでかわいく、コミックス第6巻ではMEMちょなど芸能人を押しのけて吉祥寺先生と共に表紙を飾ったほど。
観劇やインタビューを受ける際の服は、いかにも普段お出かけしない小さな女の子がオシャレしました、って感じで良く似合っています。
加えて性格も感情表現の揺れ幅が大きく、非常に個性的。
普段はイケメンや美少女とは目を合わせることもできないコミュ障ですが、漫画が関わると途端に強気で多弁になるギャップがかわいいです。
というか、普段の陰キャぶりと漫画が関わったときの口の悪さは本当に同一人物なのか疑いたくなるレベルですね。
そのかわいさ故か、2.5次元舞台終了後も92話のコスプレ炎上事件では、ルビーの策謀に巻き込まれてTV出演。
また映画「15年の嘘」のシナリオにも、吉祥寺先生と一緒にアドバイスを送っていました。
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