今回はその強烈すぎるストーリーとキャラクターで話題を攫った傑作漫画「チェンソーマン」より、その名に似合わぬ心優しき振る舞いで人気を博した「暴力の魔人」について解説します。
暴力の魔人は殉職した荒井ヒロカズに代わって、東山コベニのバディとして登場したキャラクターです。
その名の通り暴力を司る悪魔が人間の死体を乗っ取った存在ですが、ベースとなった人間の影響を強く受けたのか、作中でも屈指の心優しき紳士。
本記事ではそんな暴力の魔人の魅力について、その素顔や正体(名前)、東山コベニとの関係を中心に深掘りしてまいります。
「チェンソーマン」暴力の魔人のプロフィール
暴力のイメージとはかけ離れた心優しき魔人
暴力の魔人はサムライソード編において殉職した公安のデビルハンター・荒井ヒロカズに代わって、東山コベニのバディとして登場したキャラクターです。
その名の通り、暴力の悪魔が人間の死体を乗っ取った存在(=魔人)。
普段はフードとペストマスクを身に纏いその素顔を隠しています。
性格はその冠する名とは裏腹に、とても気さくで心優しく、
「暴力なんて好きじゃないぜ」
「ラブ&ピースだよな! ピース!」
と思わずお前魔人だろとツッコみたくなるような発言もしていました。
魔人の理性はベースとなった肉体の影響を強く受けるのですが、暴力の魔人は脳みそがしっかり残っていたらしく魔人の中では群を抜いて理性的です。
理性ある魔人というとパワーと同じ括りに入ってしまいますが、アレと同じにしちゃいけません。
また魔人となる以前のことは本人もほとんど覚えておらず、何となくマキマに助けられたことだけわかっているのだとか(認識を弄られた可能性が高いですね)。
声優は内田夕夜さん。
魔人でありながら戦闘力は相当に高く、普段はマスクで力を抑えている
通常、魔人は悪魔であった頃より大幅にその能力が弱体化します。
しかし暴力の魔人は元となった悪魔が相当高位の存在だったのか、魔人化しても戦闘力はかなりのもの。
普段は強すぎるという理由で毒が出るマスクを着用し、その力を抑制させられています。
特別な力は持っていないようですが、シンプルな殴る蹴るといった攻撃が強力なタイプ(いかにも”暴力”っぽいですね)。
岸辺からは「何があってもこいつの仮面は取るな」と念押しされており、そんなにヤバい奴なのかと思いきや、実は暴力の魔人の素顔にはある秘密が隠されていたのです。
「チェンソーマン」暴力の魔人の正体(素顔・眷属としての名前)
その素顔は殉職した荒井ヒロカズ
サンタクロースによってデンジたちと共に地獄に落とされた暴力の魔人。
そこで彼らは闇の悪魔と遭遇し、絶体絶命の状況に追い詰められてしまいます。
闇の悪魔に対抗すべく、コベニに頼んで、自身の仮面を外させる暴力の魔人。
その仮面の下にあったのは、殉職した荒井ヒロカズの面影を残す四ツ目の青年の顔でした。
作中で明言こそされていませんが、恐らくマキマが荒井ヒロカズの死体に悪魔を憑りつかせ、魔人としたのでしょう。
岸辺が仮面を絶対に外すなと念押ししたのも、なんてことはない、コベニたちを思いやっての発言だったのです。
天使の名を持つ、かつてのチェンソーマンの眷属の一人
第一部後半において、かつて暴力の魔人(正確にはその元となった悪魔)はチェンソーマン(=ポチタ)の眷属の一人であったことが判明しています。
判明しているチェンソーマンの眷属は全部で八体。
それぞれが九つある天使の階級をその名に持っています(第8位の大天使にあたる眷属だけは、存在するかどうかも含め不明)。
暴力の魔人は天使の階級で第三位にあたる座天使(ガルガリン)に対応し、その真の名前をガルガリといいます。
この眷属とチェンソーマンが如何なる関係にあったのかは第一部では明かされておらず、恐らく第二部においてこのあたりの謎が語られるのではないかと思われます。
「チェンソーマン」暴力の魔人と東山コベニ、その最期(死亡)
コベニからは「暴力さん」と呼ばれ、アイスを奢るなど穏やかな関係を築く
作中において暴力の魔人と東山コベニは非常に良好な関係を築いていました。
小心者のコベニと”暴力”などと大仰な名を冠する魔人では相性が悪いかとも思われましたが、暴力の魔人は非常に優しく温厚。
バディを組んで以降、暴力の魔人は任務での荒事を請け負うだけでなく、普段はコベニにアイスを奢るなどして彼女の保護者のように振舞っていました。
「遠慮しないでしないで」
「食べてる幸せそうなコベニちゃん見てたいの」
コベニの側もそんな暴力の魔人を「暴力さん」と呼んで慕っていましたね。
気になるのは、この暴力の魔人のコベニに対する言動が荒井ヒロカズと元となった悪魔、果たしてどちらに由来するものなのか、ということ。
普通に考えれば荒井ヒロカズ由来なのでしょうが、暴力さんの言動は生前の荒井の性格とあまりに乖離しています。
いい年した男が、実は心の奥底では同僚の女の子を甘やかしたいと考えていたとか……う~ん、やっぱり荒井のキャラじゃないよなぁ。
仲間を守るため仮面を外し、闇の悪魔に挑むもあえなく死亡
「コベニちゃん……」
「俺の仮面を取って離れてて」
地獄に落ちた暴力の魔人は、圧倒的な力を持つ闇の悪魔に対抗するため、コベニに頼んでその仮面を外し、闇の悪魔に挑んでいきました。
とは言え闇の悪魔はまさしく規格外の存在であり、仮面を外した暴力の魔人であろうと手も足も出ず、あっさりと瞬殺されてしまいます。
真の力を発揮したのに完璧にかませ犬でしたね。
しかし結果的に徹頭徹尾、最初から最後までいい人だった暴力の魔人は、作中における一服の清涼剤として高い読者人気を集めることになります。
コベニに優しくしているのはコベニを手懐けてマスクを外させる為なのかな、どっかで裏切るのかな、と疑っていましたが全くの見当違い。
魔人ってことはどうせパワー(土壇場で手のひらをクルクル返すあいつ)の同類だろうという偏見を持っていたことも大間違いでした。
まあ要するに……僕らが暴力さんを疑ってたのは、だいたいパワーが悪い。
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