今回はその強烈すぎるストーリーとキャラクターで話題を攫った傑作漫画「チェンソーマン」より、そのかわいい見た目とキャラクターで人気を博した「天使の悪魔」について解説します。
天使の悪魔は姫野の死後、早川アキの2代目バディとして登場したキャラクター。
その中性的な見た目や、天使なのか悪魔なのか、その不思議な名前・存在によって登場当初から読者の注目を浴びていました。
気だるげでやる気のない態度を取りながら、その実、優しい心根を持つ天使の悪魔。
本記事ではアキとの絆やその強さ(武器)、マキマに改竄された過去とその後(死亡した?)を中心に深掘りしてまいります。
「チェンソーマン」天使の悪魔のプロフィール
早川アキの二代目バディ、かわいい見た目で性別は男
天使の悪魔はその名の通り、人間が「天使」に抱く恐怖の感情によって誕生した悪魔。
その外見は人間が天使に抱くイメージ通り、純白の翼と頭上に天使の輪を持ち、中性的で整った顔立ちをしています。
性別は分かりにくいですが男。
悪魔でありながら人間に友好的で(見た目が人間に近い悪魔ほど人間に友好的)、公安にデビルハンターとして所属しています。
作中ではサムライソードとの戦いで殉職した姫野の後任、早川アキのバディとして登場しました(4巻34話)。
能力は高いものの常に気だるげでやる気がなく、作中ではほとんど本気を出すことがない怠け者。
しかしその心根は実は非常に優しく、後々彼が怠けようとする理由にはその能力が関係していることも分かってきます(詳細は後述)。
声優は内田真礼さん。
アキが寿命を削って天使の悪魔を守ったことをきっかけに、互いに絆を深めていく
登場当初からやる気がなく、アキに脅されても「働くくらいなら死んだほうがマシかな」と全く協力する意思を見せない天使の悪魔。
仕事中、死にかけの民間デビルハンターが殺してくれと頼んできた際も、アキは天使の悪魔の能力なら楽に殺せるだろうと任せようとしますが、彼はあっさり拒否。
「僕は天使である前に悪魔だよ?」
「人間は苦しんで死ぬべきだと思ってる」
「フリでもお前とは仲良くなれないな」
そんな二人の関係の潮目が変わったのは、レゼ編で台風の悪魔の攻撃に巻き込まれた天使の悪魔をアキが助けた時。
アキは天使の悪魔の手に直接触れ、天使の悪魔の能力によってその寿命を削られながら、必死になって彼を助けます。
「なんで僕の手を触った!?」
「死にたいのか!?」
「死にたいならどっか遠くで死んでくれ……」
「目の前で死なれるのだけは……」
「もう御免だ……」
その後、マキマと共に逃亡するレゼを襲撃した天使の悪魔。
マキマはアキと一緒に来るよう命じていましたが、天使の悪魔は彼にレゼを殺させたくないと彼を連れてきませんでした。
彼らはこの後も、少しずつ絆を深めていくことになるのですが……
「チェンソーマン」天使の悪魔の強さ(寿命・武器)
触れた者の寿命を奪い、寿命を使って特殊な武器を生成
天使の悪魔は二つの特殊な力を持っています。
①触れた人間の寿命を奪う
②奪った寿命を消費して特殊な武器を生み出す
天使は人の魂を導く死神としての側面もありますから、そうした「死」をもたらすモノへの畏怖を象徴する力と言えそうです。
①は人間に直接触れることで寿命を吸い取る力で、数秒直接触れただけで数か月単位の寿命を奪うことができます。
この能力は天使の悪魔にもON/OFFができず、発動しっぱなし。
ただ、直接身体に触れなければ効果が無いため、服など布を間に挟むだけでも防ぐことができるようです。
②は①で奪った寿命を消費して、特殊な力を持った武器を生成する能力。
アキが使っている刀も実はこの能力で生み出されたもので、触れることができないモノを切断する能力が付与されています。
消費する寿命は一定ではなく、その量によって武器の能力は大きく変わってくるようです。
公安にとって特に重要なのはこちらの力でしょうね。
「4課で岸辺隊長の次に強い」と評された実力
天使の悪魔は基本的に怠惰で全力を出すことがほとんどありません。
しかし、その実力はマキマからも「4課で岸辺隊長の次に強い」と高く評価されており、相当な実力者であることは確か。
実際、レゼ編のラストでは、マキマを正面においての不意打ちとはいえ、公安を半壊させたレゼを一撃で仕留めています。
「働くくらいなら」
「死んだほうがマシかな……」
普段はこんな発言をしてまるでやる気を見せませんけどね。
やる気を見せない理由は、恐らく自身の能力が人の寿命を消費するものであり、そのことに罪悪感を抱いているからでしょう。
心根の優しい天使の悪魔は人の寿命を消費してまで戦い、生き延びたいとは思えないのではないかな、と。
そんな彼が公安に所属する理由……
「チェンソーマン」天使の悪魔の過去とマキマ
天使の悪魔はある海辺の村に生まれ落ちました。
当初、その村人全員の寿命を吸い取り、殺害してしまったとされていた天使の悪魔(5巻41話)。
しかしそれは事実ではありますが、マキマによって改竄された不完全な記憶に基づくものでした。
過去において、天使の悪魔は村人たちと友好的な関係を築き、言葉を教わり、家を作ってもらったりと、親しく過ごしていました。
村人の一人とは互いに特別な好意さえ抱いていたようです。
そんな時、天使の悪魔の前に現れたのがマキマ(=支配の悪魔)。
マキマは天使の悪魔に「キミの力を私にみせて」と命令し、その能力で支配した彼に村人たちの寿命を吸わせ、殺害させたのです。
その後、天使の悪魔の記憶を改竄し、都合の良い手駒として公安に取り込んだマキマ。
天使の悪魔は、ある時までマキマの所業を完全に忘れて彼女に仕えていました。
「チェンソーマン」天使の悪魔のその後(死亡? 生存?)
天使の悪魔が記憶を取り戻したきっかけは、目の前でバディである早川アキが、過去の自分と同じようにマキマに支配される様子を目の当たりにしたこと(9巻74話)。
記憶を取り戻した天使の悪魔は武器を作り出してマキマに襲い掛かりますが、
「伏せ」
その一言で支配され、地面にひれ伏し、彼女に全てを捧げるはめになってしまったのです。
その後、マキマに支配され、自我を失った状態でその武器生成能力だけを利用される形で再登場した天使の悪魔。
寿命を1000年使用した武器とか、マキマにその能力を好き放題使われていました。
明確な死亡シーンは描かれておらず、生死については不明。
マキマの死後はその支配から解放されたとも考えられますが……
ここで気になるのがジャンプフェスタでの作者コメントで判明した、東山コベニと天使の悪魔、どっちに生き延びて欲しいかと尋ねられた担当編集者が「天使の悪魔に生き延びて欲しい」と答えたため、逆に東山コベニが生き延びたというエピソード。
ってことはやっぱり死んでる?
とは言え、パワーにはこっそりチェンソーマンの眷属設定みたいなものもあって、それが消化しきれないままになっていますから、このまま終わりとも考えにくいです。
第二部で再登場する可能性は高そうですが、その場合転生して記憶を失っている可能性もありそうですね。
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