今回はその強烈すぎるストーリーとキャラクターで話題を攫った傑作漫画「チェンソーマン」より、最強のデビルハンターを自称するイケオジ「岸辺」について解説します。
岸辺は公安に所属する歴戦のデビルハンター。
かつては早川アキや姫野らの教官を務め、本編でもデンジとパワーに戦闘の基礎を叩きこんでいます。
また、全盛期と比べると衰えたとはいえ、その実力は圧倒的の一言。人類という枠の中では間違いなく最強の一角と言えるでしょう。
本記事では岸辺の強さやかつての相棒クァンシとの過去を中心に、その魅力を深掘りしてまいります。
「チェンソーマン」岸辺のプロフィール
最強を自称する歴戦のデビルハンターにして教官役(先生)
岸辺は公安に所属する歴戦のデビルハンター。
当初は公安対魔特異1課所属でしたが、教官役としてデンジとパワーに戦闘の基礎を(何度も殺しながら)叩き込んだ後、デンジたちの所属する特異4課の隊長に就任しています。
かつては姫野や早川アキの教官を務めたこともあり、「先生と呼ばれると気持ちよくなれるから」と教え子には自分を「先生」と呼ばせているようです。
外見は気だるい目つきが特徴的な白髪の壮年男性で、過去に戦闘で口が左耳まで裂けてしまったらしく、頬には縫合跡がしっかりと残っています。
岸辺は姫野の死後、特異4課の強化のために教官役として登場し、イカれた神経のデンジとパワーを(壊れない・壊しても良いおもちゃとして)気に入り、いきなり二人の首を締めあげて殺害。
その後、血を飲ませて復活させ、また殺しては復活させ、最強のデビルハンターである自分を倒せるようになるまで二人を狩り続けるというワイルドな指導者ぶりを発揮していました。
ちなみに声優は津田健次郎さん。
粗暴に見えて実は人情家でナイーブ
デンジたちへの指導から、粗暴かつ頭のイカれたデビルハンターかと思われた岸辺。
初登場となる姫野の回想シーンでも、
「悪魔が恐れるデビルハンターはなあ」
「頭のネジがぶっ飛んでるヤツだ」
と発言して、毎月死んだバディの墓参りに来ている姫野に苦言を呈していました。
しかし、実際には岸辺も姫野の過去のバディたちの名前をしっかり覚えており、彼ら教え子の死がストレスとなって酒量は増える一方なのだとか。
デンジとパワーに対しても、おもちゃ扱いして情が湧かないようにしていましたが、
「この歳になるとボケてきておもちゃに愛情が湧く」
と、彼らの境遇を嘆くような言葉を漏らしたこともありました。
実際は人情家なのに、非情であれ、イカれた存在であれと自分に言い聞かせ続けているんでしょうね。
マキマに対しては当初から疑い、警戒の目を向けていた
「お前がどんな非道を尽くそうと」
「俺の飼い犬を殺そうと」
「人間様の味方でいる内は見逃してやるよ」
「内はな」
第一部の黒幕であるマキマのことを、岸部は当初から警戒していました。
マキマとの会食において、サムライソードらによる公安襲撃をマキマが敢えて見逃したことを指摘し、マキマに対して釘を刺すような発言をしています。
発言内容からすると、岸部はこの時点でマキマの正体にある程度気づいていたんでしょうね。
「チェンソーマン」岸辺の強さ(契約悪魔など)
体術のみで悪魔・魔人を瞬殺する超人
岸辺の強さはまさに圧巻の一言です。
人間より圧倒的に優れた身体能力・不死性を持つ悪魔・魔人たちを、作中では体術とナイフのみで圧倒していました。
実際、デンジやパワーは岸辺の指導中に何度もなすすべなく瞬殺されています。
岸辺は技術もそうですが、明らかに身体能力が人間離れしているんですよね。
パワーはもちろん、悪魔やそれに類する者たちの攻撃を受けてもケロッとしている頑強さといい、明らかに普通の人間じゃありません。
本人曰く「ガキの頃から力が強い」とのことですから、某調査兵団の兵長みたいな特異体質なのかもしれませんね。
しかも若い頃は今よりもっと強かったと言うのですから……
契約悪魔は存在するが、既に支払えるものがほとんど残っていない?
岸辺はデビルハンターですが、作中で契約悪魔の力を使った様子がありません。
「爪の悪魔」「ナイフの悪魔」「針の悪魔」と契約していることが示唆されていますが、実際に使用された描写はゼロ。
これについて、岸部は若い頃から戦い続けてきた結果、もう悪魔に支払えるものがほとんど残っていないのだそうです。
見た目は健康そうですが、実は身体の中はボロボロだったりするのかな。
また、契約悪魔の描写こそありませんが、姫野のように対価を前払いしているタイプの契約悪魔だとしたら、実は岸辺が使っているナイフとかに悪魔の力が宿っている、という可能性はあるかもしれません。
「チェンソーマン」岸辺、クァンシとの過去
中国からの刺客・クァンシとはかつてのバディ
本編では世界中からデンジ(チェンソーマン)の心臓を狙って刺客が送り込まれてきますが、その中の一人、クァンシはかつて公安に所属していた岸辺のバディでした。
クァンシは中国から送り込まれたデビルハンターで、弓矢の悪魔と融合した武器人間。
眼帯で片目を隠した銀髪美女で、岸辺と同年代ですが悪魔と融合した特性からか老いることなく若々しい姿を保っていました。
その実力は凄まじく、岸辺から「全人類が集まって素手で殴り合う競技があったなら1位」と評されるほど特に格闘戦能力に秀でています。
最初のデビルハンターとも呼ばれ、本人が人間を辞めていることもあって、戦闘能力では現在の岸辺を上回っているでしょうね。
クァンシに惚れ、何度も好意を告げるが性癖の壁は越えられず……
「アンタが俺ん」
「新しいバディのクァンシ様かあ」
「守ってやるから俺の女になれよ!」
若い頃の岸辺は粗暴で女好きなバカでした。
クァンシに惚れ、何度となく告白していましたが、その都度クァンシの鉄拳とともに玉砕しています。
岸辺がフラれ続けた理由は明白で、クァンシはガチの同性愛者。
岸辺は9年以上に渡ってクァンシに言い寄っていましたが、とうとう性癖の壁は越えられなかったようです。
「チェンソーマン」岸辺の活躍(ここがかっこいい)
最強の男が漏らした嘆き「何も見たくねぇ……」
デンジへの刺客として登場したクァンシと敵対することになった岸辺ですが、クァンシに対しては今でも特別な感情を抱いており、何とか彼女を味方に引き込み、助けようと試みていました。
クァンシの愛人の魔人たちを人質に取り、彼女との交渉に臨んだ岸辺。
何気ない会話をしながら、メモで周囲にバレないよう情報をクァンシに伝えます。
『会話はマキマに聞かれている』
『言う通りにすれば逃がす』
『安全は保障する』
『マキマを殺す協力するなら』
『全てを教える』
クァンシと戦いたくないというだけでなく、今後マキマと敵対することを想定してクァンシという戦力を引き込みたいという狙いもあったようです。
しかしクァンシは岸辺の誘いを拒絶。
その後、サンタクロースとの戦いを経て、改めてデンジたちに襲い掛かるクァンシ。
彼女の前に現れたのはマキマでした。
マキマが戦闘態勢に入るとともに目隠しをする岸辺と吉田ヒロフミ(マキマの力、正体は国家機密であり、それに通じる情報を知ることは禁じられていた)。
マキマの前に立ったクァンシは戦うことなく、実力差を理解して即座に降伏を申し出ます。
しかし、マキマの刃は容赦なく、クァンシとその愛人たちの首を斬り飛ばしてしまいました。
全てが終わった後、吉田は岸辺に目隠しを取らないのかと尋ねます。
「何も見たくねぇ……」
第一部ラストではデンジを助け、マキマの野望を打ち砕く
当初からマキマの正体を察し、彼女と敵対することを想定していた岸辺。
マキマが支配の悪魔としての正体をあらわにした後は、唯一彼女を倒せる可能性を持つデンジを匿い、彼を支援します。
普通の人間であれば呆れて相手にしないような馬鹿げた策でデンジがマキマに挑んだ際も、それで倒せるとは思えないと言いつつ、きっちり最後までデンジの面倒を見ていました。
あるいは岸辺は自分が理想とし、しかし自分ではなり切れなかった「頭のネジのぶっ飛んだ」デビルハンター像をデンジに見ていたのかもしれません。
デンジがマキマを倒した後、岸辺は支配の悪魔が転生したマキマの別個体・ナユタを中国から盗んでデンジの元に連れてきています。
それは、このままナユタが成長すれば、再びマキマと同じになってしまうと判断しての行動です。
しかし単にそれだけであれば、わざわざデンジの元に預ける必要はなかったようにも思えます。
あるいは支配の悪魔を理解し、本当の意味で幸せにできるのはデンジだけだと考えたのか。
本当に、どこまでも情の深い男だな、と感じます。
「チェンソーマン」岸辺、第二部では……
公安に所属しているはずの岸辺ですが、今のところ第二部では吉田たち部下は登場しているものの、岸辺本人は未登場となっています。
果たしてどんな大変な事件に直面しているのか……そう思われていましたが、143話ではある可能性が浮上。
死んだかと思われていたクァンシが第二部では公安所属(管理?)で再登場。
しかも何故か眼帯や首元がフリフリしたやたらファンシーなものに変わっています。
これはもしや、クァンシを公安に引き込んだ岸辺の趣味?
支配の悪魔をデンジに押し付けて、自分は女を口説いてイチャコラしようと目論んでいたとかじゃ……
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