今回は少年ジャンプの大人気漫画「ブラッククローバー」から、最終章において全ての黒幕であったことが判明した魔法帝「ユリウス・ノヴァクロノ」について解説します。
ユリウスはアスタ達が目指すクローバー王国魔法騎士の頂点・第28代魔法帝。
作中では実力・実績共に申し分なく、公明正大な理想の存在として描かれていました。
しかし最終章において、実はユリウス(正確にはその別人格?)こそが全ての黒幕であり、物語のラスボスであったことが判明。
本記事ではユリウスのプロフィールや強さ、正体とそれにまつわる伏線などを中心に深掘りしてまいります。
「ブラッククローバー」ユリウスのプロフィール
基本プロフィール(年齢、誕生日、身長、血液型、声優など)
年齢 | 42歳(初登場時) |
誕生日 | 10月15日 |
身長 | 180cm |
血液型 | AB型 |
魔法属性 | 時間(+霊魂) |
好きなもの | 新たな魔法との出会いを求めて変身ぶらり |
出身地 | ??? |
声優 | 森川智之 |
ユリウス・ノヴァクロノはクローバー王国の第28代魔法帝。
現クローバー王国の魔導士の頂点であり、主人公のアスタやユノにとっては物語を通じての目標となる存在です。
外見は額の左側に「*」の刻印が刻まれた穏やかそうな中年男性。
非常に気さくな性格で珍しい魔法を見ると目を輝かせる魔法マニアである一方、魔法帝に必要なものは「実績」と答えるなど、現実的で地に足のついた考えの持ち主です。
民からの信望も厚く、クローバー王国の「国王」が政治に関心がないこともあって、ユリウスこそが実質的なクローバー王国の統治者となっています。
差別のない世界を目指す公明正大な統治者(ザラとの過去)
魔法帝となる以前、ユリウスは魔法騎士団の一つ「灰色の幻鹿(今は存在しない)」の団長を務めていました。
そこでユリウスが出会ったのがゾラの父親であるザラ。
下民出身の魔法騎士だったザラですが、真に国民のために働く彼のことを、ユリウスは魔法騎士の鏡だと高く評価していました。
しかしそんなザラも任務中貴族の同僚に後ろから刺され、死亡してしまいます。
そのことが切っ掛けでユリウスは家柄や魔力による差別が絶えないクローバー王国を変えようと決意。
着実に実績を積み上げ、魔法帝にまで上り詰めたのです。
異国出身で冷遇されていたヤミを魔法騎士団にスカウトし、後に周囲の反対を押し切ってヤミを団長に据えたのもユリウス。
そのこともあって、ヤミは特にユリウスに対して強い恩義を感じています。
「ブラッククローバー」ユリウスの強さ(グリモワール)
時を奪う「時間魔法」の使い手
ユリウスは時間を自在に操る「時間魔法」の使い手です。
その本質は対象から時間を奪うことにあり、奪った時間をストックし、いつでも好きな時に使うことができます。
作中で使用された魔法は次の通り。
<時間魔法>
クロノスタシス
時間拘束魔法。対象の時間を止める。
時間魔法の基本であり、他の魔法はこの魔法の応用。
クロノスタシス:奪取(デュナミス)
対象の時(=寿命)を奪う魔法。
クロノスタシス:冥光(タナトス)
光線を放つ攻撃魔法だが、どういう原理かは不明。
クロノスタシス:掌握(アフェシス)
時間を巻き戻すように傷や体力を癒す回復魔法。
厳密には時間を巻き戻しているわけではないらしい。
クロノスタシス:支配(アポルオー)
魔法を拘束し、加速させて跳ね返す魔法。
クロノスタシス:先見(グリゴラ)
ごく短時間の未来視を可能とする魔法。
マナゾーン状態でのみ使用可能。
クロノアナスタシス
時間反転魔法。
作中ではリヒトの光魔法から国民を守るために使用された。
表紙も背表紙もない特異なグリモワール
この世界の人間は15歳になると自分のグリモワールを授与されます。
通常グリモワールにはクローバー王国を象徴する三つ葉が表紙に刻まれていますが、ユノは初代魔法帝と同じ四つ葉、アスタは悪魔が宿るとされる五つ葉が刻まれており、皆一律というわけではありません。
その中でもユリウスのグリモワールは一際特殊。
そもそも彼の魔導書には表紙も背表紙もなく、ページだけがクローバー王国の上空をぐるぐると回っているのです。
何故、ユリウスだけがこのように特殊なグリモワールを有しているのか、彼自身にもその理由は分かっていませんでしたが……
「ブラッククローバー」ユリウスの死亡と復活(子供化)
作中において、一度ユリウスには死亡説が流れています。
死亡説が流れたのは「白夜の魔眼」編で、「金色の夜明け」団長・ウイリアム・ヴァンジャンスの肉体に宿る白夜の魔眼頭首・リヒト(正確にはその名を騙るパトリ)と戦った際のこと。
圧倒的な戦闘力でリヒトを圧倒するユリウスでしたが、リヒトの攻撃からクローバー王国の国民を庇い、その隙をつかれて致命傷を負ってしまいます。
その後、駆けつけたヤミ団長に後を託し、息を引き取った……
……かに見えましたが、事件終結後、ユリウスはシレッと復活・再登場します。
しかも子供の姿になって。
そのからくりはユリウスの時間魔法と、額にあった「*」の刻印にありました。
この「*」は500年前にネロが開発した「燕紋(スワローテイル)」と呼ばれる「魔法を溜め込む」技術。
ユリウスはそこに溜めていた時間を使って肉体を巻き戻し、辛うじて復活を果たしたのでした。
ただし、その結果子供の姿になって魔力は激減、グリモワールも1ページしかなくなってしまい、その後ユリウスは直接的な戦闘からは完全に離脱することになります。
「ブラッククローバー」ユリウスの正体
その正体はルシウス・ゾグラティスにして最上位悪魔アスタロト
最終章突入直前、ユリウスの正体が明かされます。
スペード王国との戦いに勝利した後、ユリウスは魔法議会議長ダムナティオから悪魔についての調査報告書を受け取っていました。
それは二十数年前のクリフォトに整合する悪魔の記録で、それによれば冥府の支配者とされる3体の悪魔は、重力魔法のルチフェロ、空間魔法のベルゼブブ、そして時間魔法のアスタロト。
しかしそれ以降の記録ではアスタロトの存在が抹消され、代わりにメギキュラがその後釜に座っています。
そしてダムナティオから、歴史上、時間魔法の使い手はユリウス以外に存在しないことを告げられ……
ユリウスは自分こそが悪魔アスタロトであることを悟ります。
ユリウスはダムナティオに自分を殺させようとしますが、その瞬間、その肉体の本来の人格が目覚め、ダムナティオの時を止めてしまいました。
目覚めた人格、その正体はスペード王国を支配していたゾクラティス兄弟の長兄・ルシウス・ゾグラティス。
スペード王国を中心とした一連の事件の真の黒幕です。
彼は事件を通じてルチフェロの心臓を手に入れるなど、最上位悪魔をも完全に手玉に取っていますが、その言動から主導権を握っているのはアスタロトではなく人間・ルシウス。
そして恐らくユリウスは、ルシウスの別人格というより、記憶を失った最上位悪魔・アスタロトと考えるのが妥当でしょう。
ルシウス・ゾグラティスは霊魂魔法の使い手
ユリウス(=アスタロト)が時間魔法の使い手であるのに対し、その肉体の本来の持ち主・ルシウスは霊魂魔法の使い手です。
霊魂とはこの世界において、精神・生命・魔力の源。
ルシウスはその霊魂に干渉することで、触れた者を変化させ、支配することができるようです。
呪術廻戦・真人の「無為転変」を若干マイルドにしたみたいな能力ですね。
作中では最上位悪魔を支配した上で、その魂を浄化し、一般人に宿すという造物主のごとき使い方をしていました。
またゾグラディス兄弟の「肉体」「血液」「骨」の魔法属性も取り込み、自分のものとしています。
クローバー王国との最終決戦ではかつて死んだ強大な魔導士たち(ノエルの母アシエ、ナハトの弟モルゲンなど)を蘇生させ、自分の配下として利用。
さらには自分自身をも大量に複製し、ルシウスを撃破したと思ったユノたちを絶望させていました。
ユリウスの正体に繋がる伏線と謎(アスタとの関係)
ユリウスの正体が判明したことで、これまでの数々の伏線が繋がっていきます。
ユリウスの出自が語られていなかったのは、彼がスペード王国の出身だったから。
そして、グリモワールに表紙や背表紙が無かったのは、グリモワール本来の持ち主であるルシウスが表に出てきていなかったから。
ユリウスはグリモワールの一部、そこに宿った悪魔でしかなかったということなのでしょう。
また、ファンの間ではユリウスがヤミ団長の「闇魔法」とヴァンジャンス団長の「世界樹魔法」の存在を知った時特に目を輝かせていたのは、彼らが冥府とこの世を繋ぐクリフォトの贄であったからだとも言われています(ルシウスが反応していたとかですかね?)。
ここで一つ気になるのが、ユリウスとアスタとの関係。
アスタはその名前から、元々悪魔アスタロトと何か関係があるのでは、との考察がなされていました。
そしてアスタの母親はリチタという女性であるとが判明していますが、彼の父親が何者かは明らかになっていません。
つまり、アスタの父親はユリウス(=アスタロト)である可能性も……?
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