「呪術廻戦」帳(とばり)~基本結界術にして物語の重要ギミック、その詠唱(呪文・セリフ)や効果(意味・電波)など~

 今回は大人気漫画「呪術廻戦」から、呪術師の活動において基本となる結界術であり、物語の重要ギミックでもある「帳(とばり)」について解説してまいります。

 「帳」とは呪術師が活動する際、呪術を秘匿し、非術師に悪影響を及ぼさないよう、「帳」の内部で起こることを外部から見えなくする(認識できなくする)結界です。

 ある意味、異能力バトル漫画ではよくある機密保持のための技術(ギミック)ですが、「呪術廻戦」では呪詛師や呪霊との争いにおいても「帳」が非常に効果的に使われています。

 本記事では物語をより楽しむために、「帳」の基本情報や作中での使われ方などについて整理していきます。

「呪術廻戦」帳(とばり)とはそもそも何なのか?

物語の基本となる結界術

 帳とはドーム状に広範囲を覆う黒い結界で、結界の内外を視覚的に遮り(非術師に対しては見えないというより認識できないようにする)、結界内を出入りできなくする効果があります。

 ただ、後者の効果については”基本的には”呪術師であれば比較的簡単に破ることができるため、呪術師が活動する際に呪術を非術師から秘匿するために使われるのが一般的ですね。

詠唱(呪文・セリフ)

「闇より出でて闇より黒く」
「その穢れを禊ぎ祓え」

 人差し指と中指を立てた印を組み、上記の短い詠唱を行うことで帳は発動します。

 この詠唱は高専の呪術師だけでなく、呪詛師・呪霊が使う帳についても変わりはありません。

使用可能な術者

 帳は一定の呪力さえあれば誰でも習得自体は可能ですが、向き不向きが大きいため、誰でも使えるわけではありません。

 呪術師本人が帳を使うシーンは多くなく、習得に手間がかかるからという理由で習得していない呪術師も多いんじゃないでしょうか。

 実際に作中で帳を使っている呪術師というと五条悟夏油傑ぐらい。

 補助監督が使用することが多いようで、作中で最初に帳を使用したのは伊地知でした。

 他には、特級呪霊である真人吉野順平の学校で帳を使用していましたね。

 また、後述する嘱託式の帳であれば、使用者本人が帳を習得していなくとも、印と詠唱さえ真似れば帳を下ろすことが可能です。


「呪術廻戦」帳(とばり)の効果と使用する意味

視覚効果~そもそも一般人に呪霊って見えないんじゃ?~

 帳の効果の一つが「視覚効果」。

 要は結界の外から内側を見えなくする効果(逆もしかり)なのですが、そもそも非術師は呪霊や呪力が見えないので、隠す意味があるのか、という疑問がよく聞かれます。

 結論から言うと、呪霊や呪力そのものは見えなくても、呪術師が超人的な身体能力で飛び回っていたり、建物とかを破壊していたら、周囲に異常が伝わってしまうため、秘匿のために帳は必要です。

 また、死が近い環境では普段は呪霊が見えない一般人でも、呪霊が見えてしまうことがあるため(1話の虎杖のように)、帳を省略するのは色んな意味でリスクが高い行為と言えるでしょう。

術式効果~結界内への出入など(電波などは条件に組み込めない)~

 もう一つの帳の効果が「術式効果」。

 こちらは呪力を持った対象の結界内への出入りを制限する効果なのですが、こちらの効果は”基本的には”あまり強くなく、よほどの実力差が無い限り破ることは難しくありません。

 しかしこの術式効果は”条件の足し引き”を行うことで強度を飛躍的に高めることが可能です。

 一番簡単なのは対象を限定することで結界の強度を高めるパターンですね。
 ”非術師の出入りを制限する代わり、呪術師や呪霊の出入りは制限しない”みたいな感じです。

 この条件の足し引きの対象になるのは”呪力にまつわるモノ=人間、呪霊、呪物”だけで、携帯電話の電波とかを条件に組み込むことはできません。

 副次的効果で電波が阻害されることもあるようですが、意図してそれをコントロールできるわけではない、ということです。

 また、結界を張った術者が外に出るなどして、発見されて倒されるリスクを負うことでも結界の強度は向上します(「HUNTER✖HUNTER」の制約と誓約みたいですね)。

 これらを上手く組み合わせることで結界強度を一流の呪術師でも破壊できないほどに高めることが可能ですが、そうした複雑な結界を張るには極めて高い技量と知識が必要とされるそうです。


「呪術廻戦」呪霊・呪詛師が使う帳(とばり)

結界内への出入りを制限するために使用

 帳は呪術師が一般人から呪術を秘匿し、悪影響を及ぼさないようにするために使うと言いましたが、作中では呪霊や呪詛師も帳を使用しています。

 呪霊や呪詛師が帳を使用する理由は呪術の秘匿などではなく、結界内への出入りを制限し、自分たちに有利な環境を作るため。

 今まで本編で呪霊・呪詛師が帳を張ったのは大まかに3回。

 ①真人が吉野順平の学校で。
 組屋鞣造が京都交流会で(嘱託式)。
 ③複数の呪霊・呪詛師が渋谷事変で(嘱託式)。

 ①は真人が非術師を学校に閉じ込めるために使用した帳で、外から入ることは自由でした。

 ②は京都交流会編で呪詛師の組屋鞣造がテストのために使用させられた帳で、五条悟の侵入だけを拒むという極めて限定的な条件を課すことで、一時的であれ五条悟を排除することに成功していましたね。

 ③では計4層の帳が下ろされていて、外側から、
 「一般人だけを閉じ込める帳」
 「五条悟以外の侵入を拒む帳」
 「五条悟だけが出られない帳」
 「一般人だけを閉じ込める帳」

 要は一般人という足手まといを五条悟に押し付けて、その行動を制限するギミックとして帳が使われていたわけです。

誰でも使える嘱託式の「帳」も存在する

 上記の呪霊・呪詛師が使った帳の内、②と③は嘱託式の帳で、結界の基点となる杭を打ち込み、詠唱を行うことで誰でも(最低限の呪力は必要でしょうが)帳が使えるよう調整されていました

 通常の帳ならともかく、複雑な”条件の足し引き”が組み込まれた帳は並の術師では使用することができませんから、③の渋谷事変のように複数の複雑な帳が必要な状況に備え、こうした嘱託式の帳が開発されたのでしょう。

 この嘱託式の帳を開発した羂索の用意周到さがうかがえます。

疑問:日本の結界術って天元によって底上げされてたはずだけど、何で呪詛師が……

 さて、このように呪霊・呪詛師が帳を悪用しているのを見ると気になってくるのが、天元の存在。

 帳を含めた日本の結界術は天元の術式でその効果が底上げされていますが、どう見ても呪術師だけでなく呪霊や呪詛師もその恩恵を受けています。

 天元の術式はシステム的なもので、恩恵を与える対象を選別することができないのだと考えればそれまでですが、天元は結界を通じて術師たちの情報を詳細に得ており、対象を選別することも不可能ではないように思えます。

 考えられる推測は二つ。

 天元が羂索と繋がっているか、あるいは羂索が天元の目を欺くほど結界術と天元そのものに通じている。

 恐らくは後者なのでしょうが、今のところ天元の思惑は知れず、前者の可能性も排除できないんですよね……



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