今回はその強烈すぎるストーリーとキャラクターで話題を攫った傑作漫画「チェンソーマン」より、ソ連からの刺客「トーリカ」について解説します。
トーリカはデンジの心臓を狙って送り込まれたソ連からの刺客。
師匠と慕う女性の穏やかな余生のために奮闘する健気な男でしたが、最後はその師匠に文字通り操り人形として利用されてしまいます。
本記事ではそんなトーリカのプロフィールや師匠の正体、ドイツからの刺客サンタクロース(おじいちゃん)や人形の悪魔との関係性を中心にかいせつしてまいります。
「チェンソーマン」トーリカのプロフィール
デンジの心臓を狙うソ連からの刺客
トーリカは彼が師匠と呼ぶ美女と共にデンジの心臓を狙ってソ連(※)から送り込まれた刺客。
見た目はどこにでもいそうなごく普通の青年です。
詳しい背後関係は不明ですが普段は師匠と共に政府の指示でデビルハンターとして活動している模様。
クールで感情をほとんど表に出すことがなく、キツネを狩った時も、デンジの殺害を指示された際も淡々としていました。
しかし決して無感情なわけではなく、師匠と慕う女性以外にはほとんど興味がないだけ。
師匠のためであればどんな汚れ仕事もこなすと覚悟を決めています。
(※)作中でソ連所属とは明言はされていないが、トーリカはロシア系の名前。また、この世界ではソビエト連邦が存続している。
師匠と慕う女性の穏やかな余生のために戦うが……
トーリカが危険な任務に挑むのは師匠のためです。
トーリカの師匠は悪魔との契約の代償で身体がもうボロボロ。
余命半年程度と言われています。
今回、無事にデンジの心臓の奪取に成功すれば、師匠は政府からデビルハンターを引退することが許される。
全ては師匠に穏やかな余生を送ってもらうため。
……少なくとも、トーリカはそう信じていました。
「チェンソーマン」トーリカの師匠の正体
トーリカの師匠の正体はサンタクロースと呼ばれるドイツからの刺客、その本体でした。
作中では当初、不気味なおじいちゃんがサンタクロースと呼ばれていましたが、実はこのおじいちゃんは師匠(=サンタクロース)が人形の悪魔を使って作り出した端末。
自我の無い操り人形に過ぎなかったのです。
トーリカは師匠がサンタクロースであることは最期まで知りませんでした。
師匠はソ連だけでなく、おじいちゃんを通じてドイツからも指令を受けており、彼女が本来どの国に属していたのかは不明。
ただ、最終的に師匠を動かしていたのが「マキマを殺せ」というドイツ政府からの指令であり、マキマや岸辺も「サンタクロース=ドイツのデビルハンター」と認識していたことを考えると、師匠の所属はドイツである可能性が高そうです。
「チェンソーマン」トーリカと精巧な人形
トーリカは師匠(=サンタクロース)にとって「精巧な人形」を作るための素体でした。
サンタクロースが契約する「人形の悪魔」は触れた人間を人形に変えて操ることが出来ますが、人形に変えられた人間は一目で人形と分かる見た目となり、自我を完全に喪失してしまいます。
しかし特別に作られた「精巧な人形」は人間と全く変わりない見た目を保ち、しかも独自に悪魔と契約を結び自分自身を代償として捧げることさえできるのです。
その作り方は、
「人形にする人間に」
「人間しか持たない」
「感情を入れること」
「敬愛」
「崇拝」
「哀憐」
「そして隠し味は罪悪感」
つまり師匠がトーリカを育てていたのは、自分に心酔させて「精巧な人形」とする条件を整えるためだったんですね。
元々サンタクロースを名乗っていたおじいちゃんもこの「精巧な人形」であり、別れの際には師匠も「おじいちゃん」と呼んで名残惜しむような素振りを見せていたので、元は親しい間柄だったのかもしれません。
「チェンソーマン」トーリカの役割(活躍)
「呪いの悪魔」の力でデンジを殺害
トーリカは師匠と共に日本を訪れると、まず一般人を装ってデンジに接近。
師匠から「呪いの悪魔」の釘を渡されます。
「呪いの悪魔」は早川アキも契約している悪魔で、釘で対象を4回刺す(早川アキは刀で3回)と対象を呪い殺すことができる強力な悪魔。
師匠が予め3回デンジに釘を刺していて(デンジは気づいてもいませんでした)、最後の1回をテストとしてトーリカに刺すよう指示しました。
大量の人形やクァンシたちが入り乱れ戦場が混乱する中、死体や人形に紛れデンジの足に釘を刺し、呪い殺すことに成功したトーリカ。
その際、デンジと共にいたサメの魔人(ビーム)をこかし、蹴り飛ばして気絶させていましたから、デビルハンターとしての腕前は普通に一流ですね。
師匠に代わって地獄に落ち「闇の悪魔」と契約を結ぶ
デンジの殺害後、すぐに師匠と共にデンジの死体を持ってその場を立ち去ろうとしたトーリカ。
しかし師匠はその必要はないとトーリカに伝えます。
困惑するトーリカに師匠は優しく語り掛け、「人形の悪魔」の力でトーリカを「精巧な人形」へと仕立て上げてしまいました。
姿かたちはそのまま、自我だけを失ったトーリカ。
彼は師匠が操るもう一つの「精巧な人形」”おじいちゃん”が契約した「地獄の悪魔」の力で、デンジたちごと地獄に落とされてしまいました。
そして超越者と呼ばれる最強の悪魔の一角「闇の悪魔」と遭遇したデンジやトーリカたち。
彼らは遭遇するなり「闇の悪魔」によって腕を斬り飛ばされてしまうのですが、自我のないトーリカの人形は動揺することなく「闇の悪魔」に語り掛けます。
「私は人形の悪魔です」
「契約通りチェンソーの」
「心臓を持ってきました」
「私にどうか……」
「マキマを殺せる」
「力をください」
地獄に落ち「闇の悪魔」の前に姿を見せれば、いくら契約のためとは言え死んでしまう。
師匠はトーリカを自分に代わって「闇の悪魔」に拝謁するための端末として、トーリカを「精巧な人形」へと作り変えたのです。
トーリカ(=端末)を通じて「闇の悪魔」から力を授かった師匠は悪魔へと変じ大幅にパワーアップ。
しかしその直後、トーリカは闇の悪魔によって首をもぎ取られ、完全に死亡しました。
その死を誰に悼まれることもなく、本当にあっさりとした最期でした、
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