今回は言わずと知れた大人気漫画「呪術廻戦」から、死後に何故か評価が上がりまくった禪院家当主「禪院 直毘人(ぜんいん なおびと)」について考察していきたいと思います。
直毘人は呪術界御三家の一つである禪院家の26代当主。
禪院真希・真依の伯父にあたり、真希の昇格を妨害したり一般人の生死に無関心だったりと、決して「いい人」ではないのですが、クズ揃いの禪院家の中では比較的話のできるまともなご老人です。
本記事ではその死後に直毘人の評価が上がった理由(禪院家のクズっぷり、真希や甚爾に見せた情)を中心に彼の本質を深掘りしていこうと思います。
「呪術廻戦」禪院直毘人(ぜんいんなおびと)のプロフィール
基本プロフィール(声優含む)
誕生日 | 不明(71歳) |
所属 | 禪院家26代目当主 |
趣味・特技 | アニメ |
ストレス | 五条(家) |
声優 | 中田譲治 |
禪院直毘人は呪術師界の御三家の一つ禪院家の26代当主。
血縁的には禪院真希・真依、そして伏黒恵の父である伏黒甚爾の伯父にあたります。
外見は左右にピンと伸びた髭と屈強な肉体が特徴の和装のご老体。
作者曰く、デザインの元ネタは「ダリ」とのことですが、後述する高速移動が可能な術式の存在もあって読者からはNARUTOの雷影そっくりだと言われています。
性格は酒好きの豪快な爺様で、危険な任務の最中でも酒を手放しません。
御三家の人間らしく一般人や術式を持たない者への興味が薄く、渋谷事変では一般人の生死にもまるで無関心でした。
呪力を持たない真希が禪院家当主になると宣言した際には、その宣言を笑い飛ばして真希と真依に相応の試練を与えるとし、真希の昇級を邪魔しています。
一見すると御三家らしい呪術師至上主義者かに思えますが、一方で血縁者に対してはそれなりに情を持っているようで、渋谷事変では真希を庇うような素振りを見せたことも……
術式「投射呪法」を使う最速の術師、等級は特別一級呪術師
禪院直毘人は五条悟を除いてではありますが、「最速の術師」の異名を持つ超一流の呪術師。
等級は特別一級呪術師(高専関係者ではない呪術師で、一級相当とされる呪術師に与えられる等級)で、周囲の反応から一級の中でもかなり上位の使い手であることが伺えます。
彼の強さを支えているのはその術式です。
術式:投射呪法
1秒を24分割、己の視界を24のコマと見做し、アニメのコマ打ちの要領で予め動きを設定。
その後、作った動きをトレースすることができる術式。
術者も術者に触れられた者も1/24秒で動きを作らなければならず、失敗すれば1秒間フリーズする。
要は、予め動きを設定することで超高速で動ける術式ですね。
スピードが増すほど打撃の威力も向上しますから、攻撃力も飛躍的に向上します。
ちなみにこの術式は相伝の術式ではあるものの歴史は浅く、映像媒体やカメラが生まれた時に派生したもので、その有用性はともかく御三家内での評価(血統と歴史大好き)はあまり高くないようですね。
また、これ以外にも直毘人は禪院家の秘伝として「落花の情」と呼ばれる対領域対策のカウンター技も会得しており、技術的にも隙がありません。
「呪術廻戦」禪院直毘人と禪院家(息子・子供・弟、いい人説)
息子・直哉、弟・扇を筆頭にクズぞろいの禪院家
禪院家当主である直毘人ですが、彼の血縁者たる禪院家は実にクズぞろいです。
「禪院家に非ずんば呪術師に非ず」
「呪術師に非ずんば人に非ず」
術式を持たない者は落伍者として扱われ、さらに女性はそもそもスタートラインに立たせてもらえないこともある封建的かつ時代錯誤な家。
女であり双子、呪術師として欠陥を抱えていた真希や真依、そして甚爾の扱いは相当に酷いものだったと言われています。
そんな環境で育った連中の感性がまともなはずもなく、禪院家の上層部は悉くクズ。
直毘人の息子で次期党首と目されていた直哉は男尊女卑・権威主義を突き詰めたようなクズでしたし、真希や真依の父で直毘人の弟の扇は「娘が出来損ないだから自分が当主になれなかった」と逆恨みして娘を殺そうとしたクズ(ちなみに扇が当主になれなかったのは、単純に直毘人の方が強かったから)。
本当に、言い訳しようのないレベルのクズでした。
死後周囲のあまりのクズっぷりに評価が急上昇、いい人説まで持ち上がる、が……
直毘人は渋谷事変で死亡しており(詳細は後述)、禪院家のクズっぷりが描かれたのはその死後。
生前において直毘人の評価は決して良いものではありませんでしたが、禪院家のドン引きするレベルのクズっぷりが描かれたことで、何故か死後において直毘人の評価が何故か爆上がりするという現象が起こることに。
真希や真依への試練も、当主自らが彼女たちを妨害することで一族の過剰な攻撃から彼女たちを守っていたんじゃないかとか、言動を一つ一つ深読みした「いい人説」が乱立していったのです。
実際、直毘人は他の連中に比べればはるかにまともで話せる人物だったのは確かなので、相対的に評価が高まることは、まあ理解できなくもありません。
ただ、この男は渋谷事変で一般人を見殺しにしてたりしますし(まあ一々助けてたらキリがないんで、そういう割り切り自体は非難できませんが)、決して「いい人」ではないと思うんですけどね。
「呪術廻戦」禪院直毘人の活躍と最期(遺言・死亡)
渋谷事変では七海、真希、伏黒とともに陀艮相手に善戦するが……
直毘人が本格登場したのは渋谷事変。
彼は一級術師である七海健人、真希と共に行動し、特級呪霊である陀艮と激戦を繰り広げました。
酔っ払ってとても真面目にやっているようには見えなかった直毘人でしたがその実力は本物。
陀艮からは七海以上の強敵として警戒されていました。
投射呪法を使って何度も攻撃を浴びせる直毘人でしたが、陀艮の無尽蔵とも言える生命力に次第に劣勢に追い込まれていきます。
伏黒恵、そして暴走した伏黒甚爾の肉体の乱入により辛うじて陀艮を撃退するものの、その直後に陀艮以上の力を持つ漏瑚が襲来します。
陀艮との戦いでダメージを負っていたこともあり、なすすべなく漏瑚の炎に包まれた直毘人。
その後病院に運ばれ治療を受けていましたが、治療の甲斐なく死亡してしまいました。
伏黒甚爾との取引、伏黒恵に当主の座を譲ろうとした遺言の意図は?
直毘人は遺言で禪院家にある騒動を巻き起こしました。
その遺言の内容とは、
1.当主の座と財産を息子の直哉に譲る。
2.ただし、五条悟が死亡または意思能力を喪失している場合は伏黒恵に当主の座と財産を譲る。
要は、五条悟の妨害が入らない状況なら(ちょうど渋谷事変で五条悟は封印されている)、伏黒恵に全てを譲るというものです。
もともと伏黒恵は禪院家の相伝の術式である十種影法術を継いでいましたし、血統大好きの御三家が彼を当主にしようと考えること自体には何ら不思議はありません。
かつて甚爾から10億で恵の身柄を引き取ろうとしていたこともありますしね。
ただ、冷静に考えて事前に引き取っていたならまだしも、何ら面識のない子供に禪院家の全てを与えようとすれば反発が起こるのは必至。
実際、この遺言を受けて直哉たちは伏黒恵を殺害しようと動きました。
直毘人がそれを予期できなかったとは考えにくく、ここには何らかの意図があったと考えるべきでしょう。
それは過去の甚爾に対する行為の罪悪感の表れなのか、それとも単純に力ある者が当主に就くべきと争いを望んでいたのか、はたまたその争いによって禪院家が破壊されてしまえばいいとでも思っていたのか……
コメント