【推しの子】カミキヒカル(神木輝)~双子の父親であり星野アイ殺害の黒幕、その正体や目的を考察(ネタバレ注意!)~

 今回は原作・赤坂アカ、作画・横槍メンゴの豪華タッグがヤングジャンプで連載中の人気作【推しの子】から、物語の黒幕「カミキヒカル」について解説します。

 「カミキヒカル」はアクア・ルビーの双子の父親であり、星野アイ殺害の黒幕。

 物語開始当初その正体は謎に包まれており、アクアは顔も名前も知らない父親(=カミキヒカル)を見つけ出し、復讐するために芸能界に足を踏み入れました。

 物語が進むにつれ、徐々にそのベールを脱ぎつつある「カミキヒカル」。

 本記事ではこれまでに判明した彼の正体と星野アイとの過去、その目的を中心に深掘りしてまいります(物語の重大なネタバレを含みます!)。

【推しの子】カミキヒカルのプロフィール

基本プロフィール(声優など)

 カミキヒカルとは、星野アクアルビーの双子の実の父親であり、星野アイ殺害事件の黒幕(殺人教唆犯)と目されている人物。

 アイが殺された第1章(幼年期編)の時点では顔も名前も全く不明の謎の存在でした。

 しかしアクアはアイが殺された状況から、この事件には黒幕がいて、それは自分たちの父親に違いないと推測。

 父親を見つけ出しアイの復讐をするために芸能界に足を踏み入れることになります。

 アイは双子の父親(カミキヒカル)の存在を事務所の社長を含め一切周囲に隠しており、当初は恐らく芸能界関係者だろうということしかわかっていませんでした。

 初登場は80話、ルビーがアイの墓参りをしたシーンで、この時は顔は隠れて見えない状態。

 その後96話で黒川あかねが姿を目撃、109話でついにその素顔をお披露目しました。

 その素顔はまさしくアクアに瓜二つ、両目には星野親子と同じ星が宿っていて……

 声優は宮野真守さんが担当。

アクアの調査により判明した情報

 アクアは関係者に聞き込みをし、カミキヒカルはアイが劇団ララライのワークショップに参加していた際に出会った人物である可能性が高いと推測。

 その後、更に調査を進め、劇団ララライの看板役者・姫川大輝がアクアの異母兄であることが判明します。

 しかし姫川の両親(父親:上原清十郎、母親:姫川愛梨)は既に心中しており、復讐相手は既に死んでいた……やに思われましたが、姫川大輝はカミキヒカルにより托卵された存在である可能性が示唆され、調査は振り出しに戻ります。

黒川あかねの調査により判明した情報

 アクアの復讐に協力すると決めた黒川あかねは新人俳優賞授賞式でカミキヒカルに一瞬だけ遭遇。

 その後、劇団ララライのOBだったカミキヒカルの過去映像を見て、彼がアクアたちの父親であることを確信、独自に調査を行います。

 そこで判明した情報は次の通り。

・劇団ララライのOBで屈指の演技派。
・アクアは彼が15歳、姫川大輝は彼が11歳の時の子供。
・劇団ララライには10~16歳の6年間所属。
・以降の活動は不明だが25歳で「神木プロダクション」を設立。
・7月27日生まれ。
・身長178cm。
・出身地は神奈川。
・プライベートでもスーツを愛用。
・今でも劇団ララライと関係有り?


【推しの子】カミキヒカルと星野アイ

劇団ララライのワークショップで出会い恋に落ちる

 カミキヒカルと星野アイは劇団ララライのワークショップで出会ったことが分かっています。

 当時のアイは田舎から出てきたばかりの芋娘で、周囲と馴染もうとせず、安くて似合わない服ばかり着ている子供。

 当時アイの世話をしていた鏑木Pは、彼女を変える一助になればと劇団ララライのワークショップを紹介しました。

 アイはそこでカミキヒカルと出会い、恋に落ちたようです。

 鏑木Pは具体的な相手までは把握していませんでしたが、アイが身なりに気を遣うようになり、良い食事の場所を聞いてくるようになったことで、アイの事情を察していました。

 

 少なくともこの時点では、カミキヒカルの存在はアイの破滅的な行動を改善させ、アイの演技力を向上させるなど、良い影響を与えていた模様。

 しかし当時を知る劇団ララライの代表兼演出家・金田一はこのワークショップを失敗だったと後悔している様子でした。

アイが自分に執着するカミキヒカルを突き放す

 カミキヒカルと星野アイは、アイが双子を妊娠し、当時まだ中学生だったカミキヒカルを庇うために別れました。

 カミキヒカルはアイに執着していましたが、アイがそれを拒絶した形。

 その際、アイは芸能界の闇に追い詰められていたカミキヒカルの心を守るため、敢えて彼を突き放すような嘘をついています。

 双子を妊娠して以降、アイは双子がヤバイこと(アイは処女受胎)を言いだすまでカミキヒカルと連絡もとっていなかった模様。

 死の直前にカミキヒカルに連絡を取った際も「寄りを戻すとかそういう話じゃなくてさ」と発言しており、非常にサバサバしていました。

 これだけ見ればアイはカミキヒカルを愛していなかったかのように思え、実際にカミキヒカルもそう理解し、裏切られたと感じていたようですが……



【推しの子】カミキヒカルの目的(正体)は?

価値あるものを殺すことで自分の価値を見出すサイコパス?

 星野アイ殺害の黒幕とされていながらも、何故アイを殺す必要があったのか、永らくその動機が謎に包まれていたカミキヒカル。

 109話では彼の狂気に満ちた本性を垣間見ることができます。

 被害に遭ったのは人気女優・片寄ゆら

 右目に星を宿す才能あふれる役者です。

 カミキヒカルは彼女と非常に親しかったようで、彼女から色々相談を受けていました。

 しかし片寄ゆらは登場直後、趣味の山登りに出かけ、滑落事故に遭い死亡。

 死の直前、その現場に居合わせたカミキヒカルに向け「人殺し」と呟き、息絶えました。

 カミキヒカルは彼女が息絶える様子を笑みを浮かべて見届けながら、

「ああ」
「価値ある君の命を」
「奪ってしまった僕の命に」
「重みを感じる」

 彼は価値あるモノを殺すことで自分の価値を見出していました。

 

 ちなみに。

 このカミキヒカルの鬼畜ぶりに、一部の読者はアクアのクズっぷりは父親由来かと興奮。

 ……いや、アクアあそこまでクズじゃないし。

 アクア転生者だから、人格は前世の雨宮吾郎由来だし。

 直前にドロドロの展開の中、有馬かなとイチャついていたのがイメージ悪かったんだよなぁ……

このレベルのクズではラスボスとしては弱すぎる?

 さて、そのサイコパスな本性が判明したカミキヒカル。

 これで一応、彼がアイを殺した理由は説明が付きますが、物語のラスボスがただのサイコパス、クズでは少し弱すぎる気がします。

 アクアやルビーが”転生した意味”などを考えると、まだまだカミキヒカルとその周囲には”何か”あると考えるのが自然ですよね。

 

 ここで気になるのはカミキヒカルの行状を、劇団ララライの関係者はどこまで把握していたのか、という点。

 カミキヒカルはことあるごとに劇団ララライの関係者に花(白いバラ)を送っており、今でも劇団と一定のかかわりを持っています。

 特に演出家の金田一はカミキヒカルを良く知っているようで、カミキヒカルの才能を評価しつつも、彼のことを口にする際はいつも口が重く、後悔している様子が見え隠れしていました。

 そういえば、両親が心中して施設育ちだった姫川大輝を引き取ったのは金田一。

 姫川大輝の事情(実父がカミキヒカル)も金田一はある程度察しているのかもしれませんね。

映画「15年の嘘」のスポンサーに就任

 138話ではカミキヒカルが鏑木Pを通じて彼を断罪する映画である「15年の嘘」のスポンサーに就任していたことが判明します。

 鏑木Pとの会話では全てを理解した上でアクアたちを自由に泳がせている印象でした。

 鏑木Pだけでなく旧B小町の初期メンバーだった「ニノ」とも繋がっていたカミキヒカル。

 152話ではあの初期からの伏線とされていたインタビューをしていたのがカミキヒカルであったことが判明します。

【推しの子】カミキヒカルの最後

 カミキヒカルはかつてアイに捨てられたと思い込み、アイがついた自分を庇うための嘘を見抜けなかったことを、映画「15年の嘘」で子供たちに突き付けられます。

 アクアとルビーはカミキヒカルに復讐するのではなく、アイの遺志を彼に伝えることを選択。

 本当はアイはカミキヒカルを愛していたのだと。

 真実を知ったカミキヒカルは茫然と、抜け殻のようになってその場から去っていきましたが……?

 

 彼が全てを仕組んだとすれば物語にはいくつもの矛盾が存在し、アイやゴローたちの死の裏にはもう一人の黒幕の存在があったことがそこで示唆されていました。

 しかしその黒幕の存在さえも欺瞞。

 カミキヒカルはやはり自分の為だけに嘘を重ねてきた醜悪な嘘つきでした。

 彼はニノやリョースケにアイのことを忘れさせず語り続け、意図的に他人の心を燻り、弱った者に狂気の炎を灯した最悪の教唆犯だったのです。

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【推しの子】伏線&考察



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