「チェンソーマン」東山コベニ~不憫でかわいい小動物系だが悪運は強い、本人以上に活躍した愛車と謎の契約悪魔、退職後など~

 今回はその強烈すぎるストーリーとキャラクターで話題を攫った傑作漫画「チェンソーマン」より、不憫な立ち位置ながら悪運強く第一部を生き延びた「東山コベニ」について解説します。

 コベニは公安に所属する新人デビルハンターの少女。

 見た目は小柄でオドオドしており、とても戦える人間には見えませんが、その実力は熟練デビルハンターの姫野も認めるほどです。

 本記事ではとにかく不幸な少女・東山コベニの意外な強さ(契約悪魔の謎)や本人以上に活躍した愛車を中心に、その魅力を深掘りしてまいります。

「チェンソーマン」東山コベニのプロフィール

不運で気弱(?)な新人デビルハンター

 東山コベニは公安に所属する新人デビルハンターで、早川アキ姫野の後輩です。

 外見は肩までない短めの黒髪を後ろでまとめた小柄な女性で、年齢は20歳。

 性格は引っ込み思案で常にオドオドしており、挙動不審。

 実家が貧乏で、優秀な兄を大学に通わせるために夜のお店で働くかデビルハンターになるかの二択を迫られ、やむを得ずデビルハンターになったという経歴の持ち主です。

 その生い立ち故か趣味は美味しいものを食べることで「人のお金で飲むお酒が一番美味しい」と発言するなど、言葉の端々に苦労がにじみ出ていました。

 とは言え、別に気弱で優しい少女というわけではなく、永遠の悪魔に閉じ込められた際は躊躇なくデンジを差し出して生き延びようとするなど、かなりいい性格をしています。

 声優は高橋花林さん。

悪運は強く、死亡することなく第一部を生き延びる(本当は死ぬ予定だった?)

 メインキャラクターを含め、とにかくよく人が死ぬこのチェンソーマンという作品。

 そんな中、薄幸でいつもひどい目にばかり遭っていたコベニは、本当にいつ死んでもおかしくない存在でした。

 しかし、コベニは危険に巻き込まれる都度、驚異的な悪運で切り抜け続け、何とチェンソーマン第一部(公安編)を五体満足で生き延びます。

 実際、登場キャラクターは大半が死亡していますから、驚異的な悪運ですよね。

 しかも作者の藤本タツキ先生は、当初の予定ではコベニが死ぬ展開も考えていたのだとか。

 そこで編集さんにコベニと天使の悪魔どっちが生き延びて欲しいか聞いたところ「天使の悪魔に生き延びて欲しい」と言われたため、偏屈な先生はコベニを生き延びさせることに決めたそうです。

 いや、本当に凄い悪運ですねぇ。


「チェンソーマン」東山コベニの強さ(契約悪魔)

「引っ込み思案だけどかなり動ける」との評価を受けた俊敏性

 半ば選択の余地なくデビルハンターにったコベニですが、その才能・身体能力は相当なものです。

 姫野からも「引っ込み思案だけどかなり動ける」と高評価で、いざ戦うしかない状況に追い詰められると包丁を両手に忍者のごとき俊敏性を発揮していました。

 特にサムライソード編では蛇の悪魔の攻撃を難なく躱してサムライソードの腕を切り落とし、銃を奪い取って背中越しに銃撃するなど見事の離れ業を見せています。

 また、沢渡アカネに気取られず背後から忍び寄り身柄を拘束するなど、身体能力だけでなく隠密行動のセンスにも長けているようです。

 メンタリティを別とすれば、デビルハンターとしての才能は傑出している印象がありますね。

 ちなみに、コベニの同期で最初のバディの荒井ヒロカズは姫野から「実力不足だがやる気は十分」との評価を頂いており、コベニとは色々と対照的でした。

契約悪魔は秘密?

「契約している悪魔は……秘密で」

 登場した際の自己紹介で、コベニは自身の契約悪魔についてこのように述べていました。

 その後、第一部を通してコベニの契約悪魔が使われることはなく不明のまま。

 人間と悪魔の力はかけ離れていますから、一部の例外的な存在を除いてデビルハンターは契約悪魔の助けなしに悪魔を倒すことはできません。

 そのためコベニも何らかの悪魔と契約を結んでいることは間違いないはずです。

 しかし彼女はどれほどピンチに陥ろうと契約悪魔を使う様子がありませんでした。

 考えられる可能性はいくつかありますが……

①コベニの身体能力が悪魔との契約によるもの
②「秘密」の悪魔
③代償が大きすぎて小心者のコベニは使えなかった

 ①は、実はこっそり悪魔の力を借りていた(例:不運の代償に悪魔が自分の肉体を操って戦っていた)というもの。

 ②は「秘密」を司る悪魔と契約していたのでその力を使う場面が描かれなかった。

 ③は使うと死ぬような強力な悪魔と契約してしまったので、ピンチになっても使えなかったパターンですね。

 さて、第二部で契約悪魔の謎が明かされることはあるのでしょうか?

後半は暴力の魔人に戦闘を任せきり

 戦闘能力には定評のあったコベニですが、サムライソード編終了後は新たにバディとなった「暴力の魔人」に戦闘を任せることが多く、戦うこと自体がほとんどなくなっていきました。

 暴力の魔人は嘴のついた仮面を被った陽気な魔人で、「暴力の悪魔」が死体を乗っ取った存在にも関わらず「暴力なんて好きじゃないぜ」と嘯き、コベニにアイスクリームを奢ってあげるなど優しい性格の持ち主。

 仮面からは常に毒が出ていて、暴力の魔人の力を抑えているそうです。

 後に闇の悪魔との戦いでは、仮面を外して戦いを挑みますが力及ばず敗北し、死亡してしまいました。

 なお、その仮面の下の素顔にはかつてのバディ・荒井ヒロカズの面影が……


「チェンソーマン」東山コベニの愛車(コベニカー)

コベニが給料をはたいて購入した念願のマイカー

 コベニ本体以上に活躍し、時に本体を凌ぐ人気を見せたのがコベニの愛車(通称:コベニカー)です。

 これはコミックス7巻でコベニが給料をはたいて購入した念願のマイカーで、車種はフィアット500(ルパン三世の愛車ですね)。

 登場当初からその身を張った活躍により、ボロボロになりながらも凄まじい戦果を挙げつづけ、なんと第一回人気投票ではコベニ本体を凌ぐ7位(コベニは8位)にランクイン。

 第二回でも15位(コベニ10位)と根強い人気を誇っています。

 パワー最大の名言(迷言)とされる、

「ワシの持っている車に似とるなあ……これワシの車じゃないか? ウヌは盗人なのか?」「ウヌの車じゃ、ワシのせいじゃない」「まさか人のせいにするのか……!? この……人殺しがア!」

 の生みの親でもある存在ですね。

悪魔を轢き殺し、クッションにされ、最後は爆破

 ではコベニカーの具体的な活躍を振り返っていきましょう。

 まず登場するなり車を気に入ったパワーにより難癖をつけられ奪われ、パワーの運転で暴走することになったコベニカー。

 コベニカーはなんとデンジ、そして京都公安の黒瀬に成りすましていた刺客を轢き殺してしまいます。

 当初はワシのせいじゃないとコベニに罪をなすりつけようとしていたパワーですが、轢いた相手が敵だと分かるとワシの手柄じゃと得意顔。

 コベニは凹んだ愛車の修理代に項垂れていました。

 次なる活躍は岸辺クァンシとの戦いの最中。

 コベニカーがデパートの窓から外に放り投げられた岸辺のクッションとなったことで、岸部はほとんどダメージなく戦いを続けることができました(追加で刺客も落下してきてましたね)。

 その代償としてコベニカーは完全に屋根が潰れてしまいます。

 コベニはもはや言葉を失っていました。

 そして最後はサンタクロースとデンジの激闘。

 サンタクロースを追い詰めたデンジは手近にあった車ーコベニカーをサンタクロースに投擲。

 コベニカーはその爆破によってサンタクロースに止めを刺したのです。

 ……英霊「コベニの愛車」に黙祷。


「チェンソーマン」東山コベニの活躍と公安退職後

ボーナス目当てでデビルハンターを続けるも地獄からの帰還後は公安を退職

 それでは最後に、コベニ本体の本編(第一部)での活躍・軌跡を振り返っていきましょう。

 登場当初から強敵との激闘に巻き込まれ、不運続きだったコベニ。

 永遠の悪魔との戦いではホテルに閉じ込められ、錯乱して(?)デンジを殺して悪魔に差し出そうとしたり、サムライソード編ではバディや仲間を失うなど、いつ死んでもおかしくない状況でした。

 実際、早川アキもサムライソード編の終盤ではコベニに疑問をぶつけています。

「コベニ、お前はどうして公安に残ったんだ?」

「……もうすぐ、ボーナスが出るので……」

 金を動機に必死に職にしがみついていたコベニ。

 しかしそんな彼女も地獄からの帰還後は、流石に命が惜しいと考えたのか、それとももうボーナスが出た後だったのか、はたまた給料をもらっても仕事で愛車が潰されたら割に合わないと判断したのか、公安を退職しています。

 ……まあ、そりゃ辞めますよね。

転職先はブラック企業「ファミリーバーガー」、しかも結局戦いに巻き込まれ……

 そのままフェードアウトするかと思われていたコベニですがなんと終盤で再登場。

 不運な彼女の転職先は「ファミリーバーガー」というハンバーガーショップだったのですが、何とそこはバリバリのブラック企業。

 上司のパワハラ・体罰は当たり前で、他の従業員も「ファミリー」の名の下に完全に社畜というか狂信者に洗脳されていました。

「たすけて……」

 思わず呟いてしまったコベニの言葉が何とチェンソーマンを呼び寄せ、ハンバーガーショップの従業員はぐちゃぐちゃに斬殺されてしまいます。

 しかもコベニ本人は、デートがしてみたかったチェンソーマンに拉致され強制的に連れ回され、最後はゲーセンのダンスゲームで踊らされるというカオス(そしてコベニは困惑しながら完璧なダンスを踊り切っていました:通称・コベニダンス)。

 これにより再びチェンソーマンとマキマ(=支配の悪魔)の争いに巻き込まれてしまうコベニでしたが、悪運強い彼女はこの危機も何とか乗り切り、無事に第一部を生き延びたのでした。

第二部での再登場は? 弟が先行して登場

 第一部終了後の消息が不明となっているコベニ。

 再就職先も(物理的に)潰れたため、恐らくは再び公安に戻って岸辺の下で働いている可能性が高そうです。

 第二部での再登場が期待されるキャラクターの一人ですね。

 

 また114話では、デビルハンター部にコベニそっくりの少年が所属していることが判明し、コベニの弟が登場したと話題になっていました。

 140話で判明した名前は東山ノバナ

 前髪にヘアピンを6つ付けているので、東山家の6番目の子供かと噂されています(コベニは2つなので上から2番目)。

【まとめ】「チェンソーマン」キャラクター一覧

 



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