今回は人気ファンタジー「ダンジョンに出会いを求めるのは間違っているだろうか(以下「ダンまち」)」から、ベルの前世「アルゴノゥト」について解説します。
アルゴノゥトは古代に実在した一人の道化にして英雄を描いた喜劇「アルゴノゥト」の主人公。
歴代の英雄の中でも群を抜いて弱く情けない少年ですが、彼の存在を切っ掛けに英雄たちが次々と立ち上がったことから「始まりの英雄」とも呼ばれています。
本記事ではそんなアルゴノゥトのプロフィールや強さ、作中での活躍(あらすじ)やその後を中心に解説してまいります。
「ダンまち」アルゴノゥトのプロフィール
基本プロフィール(声優など)
アルゴノゥトはおよそ三千年前の古代において、ある少年がなし崩し的に英雄になってしまったとされる喜劇にして英雄譚「アルゴノゥト」の主人公であり、「ダンまち」本編における主人公ベル・クラネルの前世にあたる存在です。
外見はベルそのものですが、年齢がベルより3歳上なので背は少し高め。
一見すると軽薄で美女にだらしなく、夢見がちで道化のような振る舞いが目立ちますが、それらは周囲を和ませるための擬態。
本来の彼はとても思慮深く、絶望に染まった世界を憂い、人々の笑顔のためなら命を懸けて戦うこともいとわない強い信念を持った人物です。
彼を知る仲間たちは彼こそが真の英雄であると語り、彼の存在を切っ掛けに次々と英雄たちが立ち上がり「英雄時代」が到来したことから、「始まりの英雄」とも呼ばれています。
声優は松岡禎丞さんが担当。
道化として振る舞う英雄、正体は王族?
道化のように振る舞うアルゴノゥトですが、その実彼は思慮深く高い教養を持った人物です。
アルゴノゥトは物語開始時点で義妹のフィーナと共に辺境の村で暮らしていましたが、一村人が彼のような教養や視野の広さを持つことは普通考えられません。
その為、一部の仲間はアルゴノゥトが学者や支配階級の出身ではないかとも疑っていました。
作中では善王が統治していた多種族同士が住む都市「イルコス(=フィーナの故郷でもあり魔物に滅ぼされた)」の王族であることが示唆されています。
「ダンまち」アルゴノゥトの強さ
英雄と呼ばれたアルゴノゥトですが、彼に戦いの才能は皆無でした。
自慢できるのは逃げ足ぐらいで、故郷の村では「裏山の野良兎」と呼ばれていたのだとか。
いかにもベルの前世らしいですね。
彼の仲間や歴代の英雄の中でもぶっちぎりの最弱。
しかしアルゴノゥトは作中で雷の大精霊「ジュピター」が武器化した「雷霆の剣」を手に入れたことで、「ダンまち」本編の神の恩恵のごとき高い身体能力を獲得。
借り物の力ではありますが、英雄たちに並ぶ強さを獲得しています。
「ダンまち」アルゴノゥトのあらすじ
現代では「なし崩し的にミノタウロスを倒して英雄になってしまった滑稽な少年の喜劇」として伝わっているアルゴノゥト。
しかしそれは本来の物語とはかなり異なっています。
英雄となることを夢見、義妹のフィーナと共に英雄を募っているという王都ラクリオスへと向かったアルゴノゥト。
そこで彼は多くの仲間、そして王女アリアドネと出会い交流を深めていきます。
そして何かに怯えるアリアドネを助けようとしたアルゴノゥトは、英雄と呼ばれるミノス将軍の正体がミノタウロスであり、ラクリオスの平和はミノタウロスに王族の生贄を捧げることで成り立つ闇深いものであったことを知ります。
アリアドネは生贄とすべく連れ去られ、王によってアリアドネ誘拐の濡れ衣を着せられたアルゴノゥト。
彼はアリアドネを救うべく、精霊の祠で雷の大精霊「ジュピター」と契約。
その後「ミノス将軍は死亡し、自分が彼から王女救出を託された」と嘘をついて民衆を扇動。
仲間たちの助けを借りて王の妨害をはねのけ、洞窟に潜むミノタウロスにアリアドネと共に立ち向かい、これを撃破。
見事王女を救い、王国の闇を打ち払いました。
「ダンまち」アルゴノゥトのその後(死亡?)
「アルゴノゥト」本編終了後、始まりの英雄アルゴノゥトがどうなったかについては明確には語られていません。
語り部のオルナや詩人リュールゥによると、アルゴノゥトは次の「獅子の魔物討伐」の冒険で呆気なく死んだとされています。
ですがこれは恐らく何らかの理由で彼の死を偽装したもの。
少なくともアルゴノゥトはミノタウロスとの戦いの最中に失明しており、もう戦える状態ではありませんでしたし、無謀な魔物討伐に挑む理由がありません。
そして「アエデス・ウェスタ」では、本編終了後にフィーナやオルナらとオリンピアに赴き、古代三大詩人の一人たる「盲目の詩人」としてエピメテウスと対話し、彼を説得していたことが判明しています。
恐らく「道化」としてのアルゴノゥトは役割を終え、その後は「詩人」として生きたということなのでしょう。
「ダンまち」アルゴノゥトの人間関係
アルゴノゥトの仲間や関係者は、彼の来世であるベルとも深く繋がっています。
ハーフエルフの義妹フィーナはレフィーヤの前世で、アリアドネに百合百合しい好意を抱いていました。
またヒロインの一人である語り部のオルナは、雰囲気が大分違いますがティオナの前世でもあります。
この他にも、狼人ユーリ(ベートの前世)、ドワーフのガルムス(ガレスの前世)、鍛冶師クロッゾ(ヴェルフの前世)、詩人リュールゥ(リューの前世)と仲間たちは皆、来世でも彼と繋がっています。
また敵対していましたが暗殺者エルミナはティオネの前世で、ミノス将軍は来世でも彼の宿敵アステリオスとして登場しています。
さらに前世ではありませんが雷の大精霊ジュピターはベルの義祖父ゼウスとの関係が示唆されていて、アルゴノゥトはゼウスの一番お気に入りの英雄です。
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